2016年に短編小説「えん」で第40回すばる文学賞佳作を受賞し、小説家としても活躍するふくだももこ監督の最新作『君が世界のはじまり』が今夏公開される。昨年公開の長編デビュー作『おいしい家族』(19)に続き松本穂香と二度目のタッグを組んだ本作から、4枚のイメージビジュアルが到着した。

ふくだ監督の原点である2本の短編小説「えん」と「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」を、『リンダ リンダ リンダ』(05) 、『もらとりあむタマ子』(13)、『愚行録』(17)などを手がけたベテラン脚本家の向井康介が1つの物語として再構築した本作。大阪のとある町で高校生が中年男性を殺害する事件が発生。この町で暮らす高校2年生のえん(松本)らが友情や恋愛の狭間で揺れ動き、それぞれの想いをぶつけ合いながら過ごす日々が描かれる。

今回お披露目となったイメージビジュアルは4種類。松本演じる主人公のえんと幼なじみの琴子(中田青渚)がじゃれ合うものは、親友同士の楽しげな空気感が伝わるポップなデザインだ。一方、父親への不満を持ちながら刹那的に過ごす純(片山友希)と転校生である伊尾(金子大地)のツーショットは、鬱屈とした想いを抱えた彼らの危うい日常を予見させる。
さらに、せつない表情を浮かべながら夜の学校に一人佇むサッカー部主将の岡田(甲斐翔真)と、どんよりとした空の下で町の工場の貯蔵タンクを見つめるナリヒラ(小室ぺい)の後ろ姿がそれぞれ映しだされたビジュアルは、彼らの秘めた想いや孤独な心情がにじみ出ている。4種それぞれのビジュアルに、誰もが通過してきた甘くほろ苦い青春の日々がクローズアップされている。

青春のその瞬間にしか存在しないヒリヒリするようなエネルギーに満ちた本作。彼らの物語がいったいどこに向かっていくのか、続報を心待ちにしたい。

文/トライワークス