芥川賞と文藝賞をW受賞した若竹千佐子の同名ベストセラーを、『南極料理人』(09)、『キツツキと雨』(11)の沖田修一監督が映画化した『おらおらでひとりいぐも』(今秋公開)。このたび、ポスタービジュアルと追加キャスト4人が新たに発表された。

主人公は、ひとり暮らしをしている75歳の“桃子さん”。1964年に故郷を飛びだし、上京してから55年。同じ方言を話す周造と結婚し、2人の子どもを育てあげるが、突然夫に先立たれ、桃子さんはひとり孤独な日々を送ることに。しかし、ひとりで過ごすうちに、万事に問いを立てその意味を探求するようになる。すると、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が内から湧き上がり、彼女の生活は少しずつ変化していき…。

主人公の桃子さんを演じるのは、『いつか読書する日』(04)以来15年ぶりの映画主演となる田中裕子。そして“娘の時代”と“妻の時代”の桃子さんを蒼井優が演じ、田中との”二人一役”に挑む。
また、夫の周造役には東出昌大が、桃子さんの分身でもある“心の声”を濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎の3人がそれぞれ、”寂しさ1、2、3”という役名でコミカルに演じ、桃子さんの日常に彩りを添える。

あわせて解禁されたポスタービジュアルには、「ひとり暮らしの桃子さん。おらの今は、こわいものなし。」という桃子さんの言葉が綴られており、田中扮する桃子さんのほかに、蒼井演じる若かりし日の桃子さんと、桃子さんの“心の声”である“寂しさ”の3人が登場。過去の自分と心の声を含めた“5人の桃子さん”が一枚のビジュアルに同居し、ひとり暮らしの孤独な日々が、ユーモラスで賑やかなものに変わる様子が表現されている。
また「POPEYE」「BRUTUS」の表紙などで活躍するイラストレーターの高橋将貴によるマンモスや仙人、アノマロカリスのイラストが印象的に配置され、それらが桃子さんの日常とどのようなかかわりを持つのかも気になるところだ。

これまでユーモアあふれる演出でたくさんの愛おしいおじさんやおばさん、おじいさんやおばあさんを描いてきた沖田監督自らが脚本も執筆し、田中との初タッグで贈る本作。ひとりだけど孤独じゃない桃子さんの日常に、ほっこりすることだろう。


〈キャスト コメント〉

●東出昌大(周造役)

「沖田監督の映画が大好きで、いつかご一緒したいと思っていました。素晴らしい台本でしたし、田中裕子さんが主演されると伺って一も二もなく飛びついたしだいです。オファーをいただけて、すごくうれしかったです。撮影現場では、濃厚であたたかな時間を過ごさせていただきました。冷えきった桃子さんの手を取り、少しでもあたためることができたことに、至上の喜びを感じていました」

●濱田岳(寂しさ1役)

「映画作りへの愛が常にあふれ出ている沖田監督のもと、尊敬する田中裕子さんのお芝居を間近で見れ、そして台詞のやり取りをすることができ、宮藤さん青木さんと心強いお二人のお力で、本当に幸せな時間を過ごすことができました。沖田監督の優しいお人柄があふれる、素敵な作品になっています。ぜひお楽しみください」

●青木崇高(寂しさ2役)

「二度目の沖田組でしたが、衣装合わせからあたたかい現場でした。田中さん、濱田くん、宮藤さんと歌ったり踊ったり騒いでたら撮影が終わってました。本当にそんな感じでした。毎日、素敵なみなさんといられてとても楽しかったです。ありがとうございました」

●宮藤官九郎(寂しさ3役)

「本当に楽しかったです。映画に出た、役を演じたというより、濱田岳くんと青木崇高くんと僕とで、沖田監督の世界の中で遊ばせてもらったという記憶しかありません。田中裕子さんの懐の深さと、決して揺るがない芯の強さが現場を支えていたように思います。心の声を演じる蒼井優さんが、台本片手にずっとセットの隅っこでうずくまっている姿にも涙が出そうになりました。そういうムードが、映像に焼きついていると信じて、いまはただただ完成を心待ちにしています」

文/トライワークス