山田洋次監督の代表作で、渥美清演じる車寅次郎こと“寅さん”が、毎回温かい笑いと感動を届けてくれる国民的映画『男はつらいよ』。現在、BSテレ東ではシリーズ計49作品の4Kデジタル修復版を毎週土曜日に放送する「土曜は寅さん!4Kでらっくす」を展開中で、9月には第23〜26作が登場する。さて、今月の寅さんはどんな騒動を巻き起こすのか?

■寅さんがマリッジブルーの花嫁をサポートする『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』(79)<9月5日放送>

旅先の北海道で、一人旅をしているひとみ(桃井かおり)と出会い、彼女のピンチを救った寅次郎。話を聞くと、彼女は田園調布に暮らすお嬢さんで、父親が経営する会社で働く邦夫(布施明)との結婚式を控えているが、マリッジブルーで気乗りせず気分転換で旅に出たという。いざとなったらとらやへ来るように伝えて別れた寅次郎。そんなある日、結婚式当日になって、ウエディングドレスのまま逃げだしてきたひとみが、とらやにやって来る。
『幸福の黄色いハンカチ』(77)で山田洋次監督と出会った桃井かおりが、ユニークなキャラクターのマドンナを好演。布施明演じる婚約者との結婚を控え、本当の幸せについて思い悩む姿が、多くの観客の心を捉えた。

■寅さんとアメリカ人の言葉の壁を越えた友情を描く『男はつらいよ 寅次郎春の夢』(79)<9月12日放送>

ビタミン剤のセールスマンとしてアメリカのアリゾナから来日したものの、やることなすことうまくいかないマイケル・ジョーダン(ハーブ・エデルマン)。御前様(笠智衆)のアイディアで、落ち込んでいる彼をとらやに下宿させることにする。そこへ、アメリカ嫌いの寅次郎が帰郷。当初は対立する二人だったが、一緒に飲みに行ったことをきっかけに、文化の違いを乗り越えて友情が芽生えていく。
本作で寅さんが恋するのは、香川京子演じる英語に精通した未亡人の圭子で、マイケルの通訳役も務める。そのマイケル役にキャスティングされたのは、アメリカのテレビドラマで活躍し、エミー賞候補になった経験もあるハーブ・エデルマン。寅さんと心を通わせる一方で、親切にしてくれたさくら(倍賞千恵子)に対し、人妻と知りながら思いを寄せてしまう。アリゾナ・ロケも敢行されるなどワールドワイドな作品になった。

■寅さんとリリーの同棲生活がほほえましい『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(80)<9月19日放送>

ドサ周りの歌手生活をしているリリー(浅丘ルリ子)から、寅次郎へ一通の手紙が届く。彼女は沖縄での仕事中に倒れて入院しており、“寅さんに一目逢いたい”という言葉も添えられていた。早速沖縄へ向かった寅次郎による懸命の看病の甲斐もあり、リリーは退院。そのままふたりは、小さな家を間借りして夫婦同然の同棲生活を始める。彼女の口から結婚を意識した言葉もこぼれるが、寅次郎の煮え切らない態度もあり、ふたりは大ゲンカしてしまう。
第11作、15作に続いて3度目の登場を果たしたリリー役の浅丘ルリ子。寅さんとの同棲生活も描かれ、愛情の裏返しのような口ゲンカも繰り広げられるなど、気持ちのすれ違いにやきもきさせられる。

■寅さんが死んだ仲間の娘を支える『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』(80)<9月26日放送>

北海道でテキヤ仲間の死を知った寅次郎は、奥尻島へ墓参りに行く。そこで死んだ仲間の娘、すみれ(伊藤蘭)に出会う。幼い頃に母親が出ていき、苦労を重ねてきた彼女には、定時制高校に通いたいという願いがあった。彼女の望みを叶えるため、柴又へ連れて帰ることに。とらやの人々の協力も得て、猛勉強のすえにすみれは無事入学を果たす。しかし保護者気取りの寅次郎は、連日のように学校に付き添ってしまう。
元キャンディーズの伊藤蘭が、マドンナのすみれを演じる。定時制高校の教員役で二代目おいちゃんを演じた松村達雄、すみれの恋人役で村田雄浩が出演している。

文/トライワークス