『かもめ食堂』(06)、『彼らが本気で編むときは、』(17)などで国内外より高い評価を集める荻上直子監督の最新作『川っぺりムコリッタ』が2021年に公開されることが決定。撮影は9月〜10月上旬に富山で行われ、松山ケンイチとムロツヨシが共演することが発表された。

監督の完全オリジナル脚本で紡がれる本作は、荻上作品ではおなじみの”おいしい食”とささやかな幸せの瞬間(=仏教用語で“ムコリッタ”)に包まれるあたたかな物語。北陸の小さな工場で働く山田(松山)は誰とも関わらず生きようと決めた孤独な青年。彼は古い安アパート”ハイツムコリッタ”に住み、風呂上がりの冷えた牛乳とお米を買える給料日を楽しみに暮らしていた。そんなある日、隣人の島田(ムロ)が風呂を貸してほしいと上がり込み、山田の生活は一変。島田との交流をきっかけに、山田は住民たちに友情のような感情を抱き始め、次第に社会との接点を見つけていく。

今回の発表に際し、山田役の松山は「荻上監督とは撮影現場では会話というよりもお互いになにを感じていたかという話がほとんどで他人に対してどう見えているかではなく自分が自分をどう見ているのかを大事にして現場にいました」と撮影を振り返りコメント。一方ムロは「いままでの自分はいらない、と。いままでの自分を捨てて、荻上さんが作られた世界に飛び込んでおります」と撮影時の心持ちを語っている。

“いまの世を楽しく生きるためのヒント”を映しだした『川っぺりムコリッタ』。穏やかで心あたたまる彼らの日常から、ささやかな幸せを感じてほしい。


<キャスト&スタッフコメント>

●松山ケンイチ(山田たけし役)

「脚本読んでいまも思っていますが、この作品を人にうまく説明できません。言葉や文章で説明できる作品ではありませんでした。荻上監督とは撮影現場では会話というよりもお互いになにを感じていたかという話がほとんどで他人に対してどう見えているかではなく自分が自分をどう見ているのかを大事にして現場にいました。あと、都市では得られない解放感や時間の流れを富山で堪能しながらカメラの前にいました」

●ムロツヨシ(島田幸三役)

「いままでの自分はいらない、と。いままでの自分を捨てて、荻上さんが作られた世界に飛び込んでおります。経験してきたこと、してしまったこと。身についたもの、身についてしまったもの。全てを捨てないと、その世界で生きられないのです。しかしながら、そう簡単に捨てられる訳もなく、捨てられているのかどうか、考え動き、考え考え動き考えてます。荻上さんと戦いながら、荻上さんの世界で生きようとする日々。そして松山ケンイチと過ごす時間。『川っぺりムコリッタ』どうかご期待、お待ちください。映画館でお会いしたい」

●荻上直子(監督・原作)

「松山さんの隣の部屋にムロさんが住んでいる。想像しただけでオカシイけれど、その撮影は想像以上にシアワセなひとときでした」

文/トライワークス