青山真治監督の7年ぶりの長編映画『空に住む』の公開記念舞台挨拶が10月24日に新宿ピカデリーで開催され、多部未華子、岸井ゆきの、美村里江、青山監督が登壇。共演者の岩田剛典から「劇中でエレベーターで渡した花束がある。その花束を改めて贈らせていただきます」と映像メッセージが届き、ステージで花束を受け取った多部が「うれしいです。びっくりしました」と笑顔を弾けさせた。

本作は、作詞家、小竹正人の同名小説を原作に、両親の急死という出来事を受け止めきれないまま、タワーマンションの高層階で愛猫と暮らし始めることになる主人公の直実(多部)を軸に、現実の中で葛藤しながらも、未来へ向かって歩き出す現代女性の姿を描く人間ドラマ。いっぱいになった会場を見渡し、多部は「まさかこんなに人がいるとは思っていなかった。うれしい気持ちもありますし、みんな今日まで元気だったんだなと。本当に感謝です」と喜びを語った。

脚光浴びるスター俳優で、直実と出会いを果たす時戸を演じたのが岩田。岩田の印象を聞かれた多部は、「撮影が始まる前に、監督とお話する機会を設けていただき、その時に初めてお会いした」と述懐。

「私は監督になにを聞いたらいいのかわからないまま、その場にいるくらいふわふわしていたんですけれど、岩田さんは台本にいっぱい付箋を貼っていらっしゃっていた。『そんなに聞くことがあるんだ…』と思った。監督ともコミュニケーションをとっていた」と語り、「すごくまじめで勉強熱心。私にはない部分をたくさん持っていらっしゃる方」と吐露。「焦りました。すごいなあって」と刺激を受けたことを明かしていた。

この日は、会場に来られなかった男性キャストから女性陣に“リモート花束贈呈”が行われることになり、岩田から多部、大森南朋から岸井へ、鶴見辰吾から美村へとプレゼントが贈られた。スクリーンに映しだされたメッセージを楽しそうに見ていた女性陣。岸井は「うれしい」、美村も「皆さん優しい。心遣い、ありがとうございます」と大きな笑顔を見せる。最後に青山監督は「楽しい現場になった。うれしい限り」と充実感を語り、多部は「また明日も、一週間後も、一年後も、皆さんの印象に残っている映画になっていたらいいなと思います」と心を込めて語った。


取材・文/成田おり枝