第33回東京国際映画祭のジャパニーズ・アニメーション部門上映作品『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(98)の舞台挨拶が11月1日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、湯山邦彦監督、サトシ役の声優の松本梨香、エグゼクティブ・プロデューサーの久保雅一が登壇。「これからも一生懸命、みんなが喜ぶことをやっていけたらいいな」と打ち明けた松本が、「死ぬまで『ゲットだぜ!』と言っていこうと思っている」と宣言し、会場から大きな拍手を浴びた。

「劇場版ポケットモンスター」の記念すべき第1作目となる本作。人間たちへの逆襲を計画する最強のポケモン、ミュウツーの葛藤を描く内容が幅広い世代から注目を集め、大ヒットを記録した。湯山監督は「23年も前につくった作品をこんなに大勢の方に来ていただき、大きなスクリーンで観ていただけることをうれしく思います」。久保も「23年経って、こんなにお客様に来ていただけるなんて。プロデューサー冥利に尽きます」と感無量の面持ち。松本は「ポケモン、ゲットだぜ!」とサトシの決め台詞をお見舞いし、会場を沸かせた。

映画化第1弾に向けての意気込みを振り返った松本は、「期待に応えなきゃという、ワクワクしかなかった。プレッシャーはなかったです。スタッフもキャストも素敵な方ばかりで『いいものを作るぞ』と向いているところが一緒だった」とコメント。いまなお語り継がれる名作となったが、脚本を受け取った当時の心境について「大人の方も、ポケモンを初めて観る方も、絶対に心に残る映画になるなと思いました」と語る。

湯山監督は「『ミュウツーで行こう』ということは決まっていた。どうすればミュウツーを一番魅力的に描けるだろうかということからスタートした」と回顧。「命とはなにか?」という難解なテーマに挑んだことについては、「ミュウツーには、“人から作られた”という生い立ちがあるので、それをテーマに据えた。脚本家の首藤(剛志)さんいわく『自分は一体何者なんだ、どこから来たのか、宇宙はどこまで広いのだろうとか、そういったことを考えるのは、実は小さな子ども。子どもにとっての一番最初の疑問なんだ』と。『このテーマは、子どもが抱えている素直な疑問なんだ』と話したのを覚えています」と説明した。

12月25日からは劇場版23作目となる『劇場版ポケットモンスター ココ』が公開となるなど、長年愛されるシリーズへと成長した。松本は「子どもたちに寄り添う演技をしたいなと思っている。いまでも毎週、サトシとして収録させていただいているけれど、いつも『今日が初めてだ』という気持ちでスタジオに入っています」とサトシを演じるうえでの信念を吐露。『ポケモン』という作品は「みんなが帰れる場所」だと話し、「ちょっと寂しくなったら、『ポケモン』を観てもらえたらうれしい」と笑顔を見せていた。

取材・文/成田おり枝