ジョン・レノンの名曲「Happy X-mas(War Is Over)」にインスパイアされた秦建日子原作のクライムサスペンス小説を、佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊ら豪華キャストで映画化した『サイレント・トーキョー』(12月4日公開)。このたび、総工費3億円をかけて再現された“渋谷スクランブル交差点”のオープンセットでの、西島や中村倫也らが参加した圧巻の撮影現場レポ―トが到着した。

「アンフェア」シリーズで知られる秦の小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を、「SP」シリーズの波多野貴文監督がメガホンをとり映画化した本作。クリスマスの東京を突如襲った“連続爆破テロ”に翻弄される国家と人々の姿が圧倒的スケールで描かれる。

昨年11月〜12月にかけて撮影が行われた本作。最大の見せ場となる渋谷スクランブル交差点のオープンセットは、栃木県の足利競馬場跡地の一部となる2万2千平方メートル弱の空間に、なんと総工費3億円をかけて製作。セットでの撮影には、一連の事件を独自に追う渋谷刑事課・警部補の世田志乃夫役の西島秀俊、世田とバディを組む新人刑事・泉大輝役の勝地涼、不可解な行動を取るIT企業家の須永基樹役の中村倫也、そして興味本位で犯行現場に来てしまう会社員の高梨真奈美役の広瀬アリスと、真奈美の同僚で須永に心惹かれる印南綾乃役の加弥乃らが参加した。

「このオープンセットがなかったら映画はできなかった」と波多野監督が話す通り、スクランブル交差点やハチ公前改札、ハチ公前広場といった有名な場所が実際の光景かと思うほど完璧に再現されており、制作された5.5mのツリーと祝祭感のある巨大壁画がクリスマス感を演出している。

第一のテロ事件現場となった“恵比寿”に次いで、標的とされる渋谷。爆弾のありかも犯人の動機もわからない危機的状況のなか、大量の警察官たちや群衆、爆発物処理班など老若男女混ざり合った場面を撮影するため、現場には一日最大1200人、総勢1万人のエキストラが集結。交差点のオープンセットでの撮影は、極寒のなか約2週間も行われた。

オープンセットに入り、エキストラに向けて大きな声で「よろしくお願いします!」と挨拶する俳優陣。事件をあらゆる角度から捉えるため、エキストラと共にテストを重ねていく。時にエキストラともコミュニケーションを取り、士気を高めていた西島と勝地。共演シーンの多い中村、広瀬、加弥乃の3人も緊迫したシーンの撮影の合間、時に冗談を言ったり交差点の再現度について話したり、また常にエキストラへ気遣いの言葉をかけていた。

重要シーンである爆発する瞬間の撮影は、高速レールにハイスピードカメラを走らせて一気に撮影。巨大扇風機からかなりの風力で風が吹き、通行人が飛び、DJポリスが車の上から落ちるなど各々がちょうどいい動きになるのが難しく、テストと本番が何度も重ねられていく。「爆破のスケール感、臨場感を出すため、これまで以上に機材も駆使して表現できたら」と話す波多野監督は、これだけの規模のオープンセットで撮ることは「監督冥利に尽きる」と満足そうな表情を見せる。

またカメラは、ジェームズ・キャメロン監督の最新のハリウッド超大作『アバター2』でも使用されるソニーのラージセンサーカメラ・VENICEを使用。ドローン、空撮、巨大クレーンなどあらゆる機材や多くの人材を総動員し、さらに渋谷の夜の様々なライトが照り返す様も再現された。また実際にこういう事件が起きた場合、どのように警察は動くのか、警察や爆発物処理班、爆弾事件の捜査のプロフェッショナルなどに取材を重ねて再現したという。

圧巻のセットに西島は「なかなか大変な撮影だったのですが、充実した凄いシーンが撮れているんじゃないかと思っています」と自信を見せる。勝地も「本当に渋谷にいるかのような気持ちになりましたし、爆破後のシーンを撮影している時に、これが現実に起こらないと言い切れないという、そういう恐怖も感じました」と吐露。また中村は「“日常が一瞬で地獄に変わる“そんなことが描かれている作品。スケールの大きい描写のなかに、人の影の部分も多く描かれいて色んな事を考えさせられる作品になっています」と語っており、圧巻の渋谷スクランブル交差点でのシーンはもちろんのこと、壮大な規模で描かれる衝撃のサスペンス・エンターテインメントに期待は高まるばかりだ!

文/富塚沙羅