『愚行録』(17)、『蜜蜂と遠雷』(19)で国内外より高い評価を受ける石川慶監督の新作映画『Arc アーク』が6月25日(金)より公開されることが決定。『ファーストラヴ』(2月11日公開)の芳根京子を主演に、寺島しのぶ、岡田将生、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫が共演する同作より、特報、ティーザービジュアル、場面写真が解禁された。

2011年に発表された短編「紙の動物園」でSF・ファンタジーの権威であるネビュラ賞、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞という史上初の三冠受賞を遂げた作家、ケン・リュウの短編小説「円弧」を映画化した本作は、人類ではじめて永遠の命を得た女性の人生を描かれる。そう遠くない未来、放浪生活を送っていたリナは、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術する“ボディワークス”の応用技術によって30歳の姿のまま不老不死の体に。そんな彼女が、100年を越える年月を経てたどり着く境地とは?脚本は、女性層より高い支持を得た『愛がなんだ』(18)の澤井香織が手がけ、原作の息を飲むような斬新さを石川監督が鮮やかに映像へ落とし込んでいる。

不老不死となるリナを芳根が演じるほか、リナのボディワークスの師エマに寺島が、ボディワークスを応用、不老不死の技術を完成させる科学者でエマの弟・天音を岡田がそれぞれ演じる。さらに倍賞、風吹、小林ら実力派が空想科学の世界に人間味と情感を与える役柄で脇を固める。本作について芳根は「生きていることを特別なものと思えるようになりました」と、岡田は「後悔のないように必死に生きる姿は、やはり尊くそして綺麗」とそれぞれ物語を通して感じた思いをコメント。、寺島も「不思議な作品になっている」と語り、本作の独特な世界観を感じさせる。

解禁された特報では、リナが独特なボディワークスを行う躍動感あるシーンから始まる。会見で不老不死の実現を発表する天音、そして永遠の命を得たリナの姿が描かれ、不老不死の世界に突入した人々の葛藤や困惑を切り取りながら、映像は美しい旋律に乗せて「私は世界に触れる」という意味深なコピーへ続く。

生と死という壮大なテーマを描く『Arc アーク』、円弧という意味のタイトルの意味するものとは?特報後半部のモノクロ映像など謎の多い本作、今後のさらなる続報にも期待が高まる。

<キャスト・スタッフコメント>

●芳根京子(リナ役)

「はじめにこのお話を聞いた時、あまりの難役にどうして石川監督は私にリナを託してくださるのか、嬉しさもありましたが、疑問、不安、恐怖が大きく即答することが出来ませんでした。お時間を頂き、正直に自分が思ってることをお伝えしました。監督は真っ直ぐ向き合ってくださり、私の不安を取り除き、そして「最高のスタッフを集めました」と言ってくださいました。監督から背中を押してもらい、この世界に飛び込ませてもらいたいと決意しました。 生きている ことに対して無意識、というか、当たり前、というか、それが日常になっていたものが、この”“作品と出逢って特別なものと思えるようになりました。タイトルの”Arc”からも、人生の始まりと終わりは一直線上の対極ではなく、弧を描いた隣同士だと感じました。もしも自分のこれからの人生の選択肢の中に 人生を終え“ない道 があるとしたら、自分はどういう選択をするだろうかと、この作品に出会わなければ出てこない発想・想”像力をたくさん膨らまして、自分の人生をより一層濃いものにしてくれました。観てくださった方も、自分の人生を今までとは少し違う角度の視点から感じられるような、新しい発見のきっかけになっていただけたら嬉しいです。たくさんの方に届きますように」

●寺島しのぶ(エマ役)

「台本を読んだ時、内容がよくわからないけれど全ては監督の頭の中にあるのだなと思いました。私はそこに飛び込み、ただ身を委ねました。不思議な作品になっていると思います。永遠に生きるとは…。そう遠くない未来、世界はそうなっているかもしれません」

●岡田将生(天音役)

「後悔のないように必死に生きる姿は、やはり尊くそして綺麗でした。生きること、死ぬこと。命とは何か。それくらい壮大なお話で、命がめぐるように僕たちもこの世界で必死に回っている感覚に陥りました。多分僕はこの脚本、この映画の本質を今も100%は理解出来ていません。この脚本を理解するのにとても苦労したことを覚えてます。しかし、石川監督なら絶対大丈夫。安心して身を任せられると思いました。石川監督の演出はとても独特で、監督とキャストだけで何度もリハーサルをし、撮影の仕方も他の現場と異なる感じで、カメラの前にいることを忘れるほど集中して現場に立っていた感覚でした」

●風吹ジュン

「『Arc アーク』は近未来のお話ですが、死生観を問うような面白い脚本でしたので、石川監督にお会いするのを楽しみにしておりました。小林薫さんとの共演も・・・。監督に”Arc“ってなんですか?って聞いたことがありました。「弓のような形」と答えてくださいました。でも見えているのはもしかしたらほんの一部で、大きな丸が隠れて居るのでは。それはきっと亡くなっても、何かは続いていて円周を一回りしたら又”Arc”の線につながってる?そんなイメージが湧いてきました。見終えたときに幸せを受け取れる不思議な力がある作品です」

●小林薫

「近未来の世界に不老不死。どんな映画になるのか、どんな仕上がりになるのか、全く見当がつきませんでした。ただワタシの役は自然に歳を取った老人でしたので、役にすんなり入ることができましたが、コロナがじんわりと広がりつつあった3月初頭の撮影で風邪をひいてしまいまして、ビビリましたね。共演の風吹さんから濃縮のビタミンをいただきましたらこれでケロっと治りまして、ホント風吹さんには感謝しております」

●石川慶(監督)

「不老不死をテーマにした物語は古今東西あれど、ケン・リュウが提示するテーマは全く新しいものでした。そこにあるのはありきたりな不死への警笛ではなく、不死を得た新しいカラダに僕らの価値観がついていけるのかを強く問うてきます。アンチエイジングが発達した今、ストップエイジングは必ずしも遠い未来の話ではないのです。この大きなテーマを背負う主人公を、芳根京子さんがまさに体当たりで演じてくださいました。役とともに本当に生きることができる芳根さんと、この映画を作れたことは自分にとって大きな幸運です。他に寺島しのぶさん、岡田将生さん、倍賞千恵子さん、風吹ジュンさん、小林薫さんら名優たちが、一見荒唐無稽に見えるこの物語に大きな説得力を与えてくださいました。ぜひ劇場まで足を運んでいただけたら幸いです」

文/鈴木レイヤ