スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』(01)が舞台化されるニュースは、ハリウッドでも大きく報じられている。『千と千尋の神隠し』は2002年に北米公開、2003年に行われた第75回アカデミー賞にて、長編アニメーション賞を日本作品で初めて受賞している。

この舞台化は2022年2月に初演を予定。演出、脚本は「レ・ミゼラブル」などの演出でトニー賞やオリヴィエ賞を受賞したジョン・ケアード監督が担当し、千尋役には、橋本環奈と上白石萌音がダブル・キャストで演じる。2022年2月から東京の帝国劇場で上演、4月からは大阪、福岡、札幌、名古屋と全国を巡演する予定だ。「Hollywood Reporter」誌によると、舞台化を企画する東宝は、宮崎駿監督の人気が高いアジアやヨーロッパでも同様の舞台を行いたいと考えているという。

ハリウッドでは、9月30日に開館予定のアカデミー・ミュージアムにて、宮崎駿監督の回顧展がオープニング記念として行われる予定となっている。展覧会では、『となりのトトロ』(88)や『千と千尋の神隠し』など、宮崎駿監督の長編アニメーション作品から300点以上のイメージボード、キャラクターデザイン、絵コンテ、レイアウト、背景画、ポスター、セル画などを公開する。

アカデミー・ミュージアムのビル・クレイマー館長は、「宮崎監督という、国際的な芸術家の卓越したキャリアを称える展覧会は、私たちのミュージアムの扉を開くにふさわしいものであり、当館の世界的な広がりを示すものとなるでしょう」と述べている。展覧会のキュレーターを務めるジェシカ・ニーベル氏は、「宮崎監督は、曖昧さと複雑さを併せ持つ“人生”をアニメーションに捉える特異な能力を持っています。スタジオジブリとのコラボレーションにより、宮崎監督の熱烈なファンはもちろん、まだ宮崎作品に触れたことのない人々にとっても魅力的に映る展覧会を開催することができ、大変光栄に思っています」とコメントしている。

展覧会に併せて、ミュージアム併設の劇場では宮崎作品の特集上映が行われる予定だ。舞台のロサンゼルスおよび北米での展開は予定されていないが、日本で上演されたのちにはアメリカにも評判が伝わってくることだろう。

文/平井 伊都子