『狼煙が呼ぶ』(19)、『破壊の日』(20)に続く「狼蘇山」三部作の完結編となる豊田利晃監督の最新作『全員切腹』が窪塚洋介の主演で製作されることが決定した。本作は観客参加型の映画製作として、クラウドファンディングも実施される。

千原浩史(千原ジュニア)主演の『ポルノスター』(98)で監督デビューを果たし、その後、松田龍平主演の『青い春』(02)や『ナイン・ソウルズ』(03)、『I’M FLASH!』(12)、『クローズ EXPLODE』(14)、『泣き虫しょったんの奇跡』(18)など数々の作品を手掛け、『破壊の日』(20)ではイタリアのオルトレ・ロスペッキオ国際映画祭2020で監督賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けている豊田監督。そんな掟破りの映画製作で映画作りの可能性を信じ前進し続ける彼が監督と脚本を手掛ける本作は、前2作『狼煙が呼ぶ』、『破壊の日』の撮影場所となった架空の神社「狼蘇山」三部作の完結編として製作。

現在公開中の『ファーストラヴ』にも出演し話題を呼んでいる窪塚のほか、同じく前作に続き渋川清彦も出演。音楽を、切腹ピストルズと「太鼓芸能集団 鼓童」の中込健太と住吉佑太、そして東京を拠点に活動するMars89が手掛ける。

また3月22日から4月30日(金)には、豊田組ショップにてクラウドファンディングを実施。集まった金額によって長編、短編、映画の尺も変わるといい、観客と共に映画を製作することを目標としている。
豊田監督は本作の製作にあたり「今の世間を見回していると、『世が世なら、あいつら全員切腹だぜ』と思うことがしばしばあります。この混迷の時代にどのように生きるのが正しいのか?生き方の美徳についての映画を作りたいと思っています」とコメント。

物語の内容はまだ明かされていないが、まだまだ先が見えないいま豊田監督が今の世に突きつける渾身の映画作品に期待したい。

<スタッフコメント>

●豊田利晃(監督)

「今の世間を見回していると、『世が世なら、あいつら全員切腹だぜ』と思うことがしばしばあります。命をかけて責任を取る、スジを通すという慣習が美徳とされていた百年以上前の侍の生き方に憧れを抱きます。未来が見えにくい中、個人が誠実に生き抜いていくためのヒントを切腹の様式の中で追求したいと思いました。この混迷の時代にどのように生きるのが正しいのか?生き方の美徳についての映画を作りたいと思っています。映画とは壁に映しだされた光の虚像です。そして、その虚像の中でなら言えることがあるのです。『あいつら全員切腹だぜ』と映画の中でなら言える。映画作りはいつも自分の覚悟を試されている」

文/富塚沙羅