大阪アジアン映画祭のオープニングを飾った阿部寛出演のマレーシア映画『夕霧花園(ゆうぎりかえん)』の公開日が7月24日(土)に決定し、メインビジュアル15点が解禁。さらにメガホンをとったトム・リン監督と阿部からコメントが到着した。

本作の原作は、英ブッカー賞最終候補作にもなったタン・トゥアンエンの小説「The Garden of Evening Mists」。キャメロンハイランドの美しい景色を舞台に、日本軍に占領されたマレーシアと日本という国の因縁を超えて惹かれあう一組の男女の切ない恋を描く。亡き妹の夢である日本庭園造りに挑むヒロイン、ユンリンを『MISSING ミッシング』(08) 、『10人の泥棒たち』(12)のリー・シンジェが、彼女が出会う日本人庭師の中村有朋を阿部が演じる。阿部は、庭師であり多彩な芸術家、そして終戦時には、埋蔵金「山下財宝」にまつわる秘密を握るスパイ疑惑をかけられる稀有なキャラクターを、繊細に演じ新たな魅力を発揮。シルビア・チャン、ジュリアン・サンズら実力派キャストが集結し、映画監督のホー・ユーハンがカメオ出演するなど、個性豊かに作品を彩る。

リン監督は「過去3作品にわたって私の映画が日本で公開されてきましたが、今回が一番興奮し、また同時に緊張もしています」とよろこびのコメントを寄せている。阿部は「まず脚本を読ませて頂き、そこから一年近く監督とのやり取りを経て本作品への出演を決めました」と出演までの道のりを説明する。

さらに「有朋のキャラクターはミステリアスとも言えるかもしれませんが、武士道のような一種の美学が彼にはあり、それは日本人の僕としてとても共感できるもので、そういう意味ではとても親しみが持て、演じやすい人物でもありました」と自身が演じた中村について解説している。

戦中の1940年代、戦後の1950年代、1980年代。三つの時間軸を通して描かれる幻想的でミステリアスな歴史ラブストーリー。愛した男はスパイだったのかーー。記憶を手繰り寄せ、愛した男の潔白の証拠を探し出すと決意したヒロインの深い愛を見届けたい。

<スタッフ・キャストコメント>

●トム・リン(監督)

「この度、『夕霧花園』がようやく日本で公開される運びとなり、大変嬉しく思っています。過去3作品にわたって私の映画が日本で公開されてきましたが、今回が一番興奮し、また同時に緊張もしています。激動の時代の禁じられたロマンス──『夕霧花園』はそんな重厚な題材を扱っていますが、その中に強い愛や、哀れみ、そして救済のメッセージを伝えています。私が愛情を注ぎ手掛けたこの作品の物語が、みなさまに感動をもたらすことを願っています」

●阿部寛(中村有朋役)

「トム・リン監督より出演依頼がマレーシアのastro Shawという制作会社経由で事務所までメールで連絡を頂きました。話を進めるにつれ、監督の熱意が伝わってきました。まず脚本を読ませて頂き、そこから一年近く監督とのやり取りを経て本作品への出演を決めました。その後、歴史背景についてはドキュメンタリーや本などを通して色々リサーチし、有朋(アリトモ)の役は、日本庭園の庭師であり、また彫り師でもあり、日本の精神性を表現する文化ですから、実際に庭師の先生や、彫り師の先生、また茶道の先生たちにも直接ご指導頂きました。有朋のキャラクターはミステリアスとも言えるかもしれませんが、武士道のような一種の美学が彼にはあり、それは日本人の僕としてとても共感できるもので、そういう意味ではとても親しみが持て、演じやすい人物でもありました。監督から聞いた言葉でもありますが、悪者と善人を単純に描くという良くある戦争映画ではありません。戦争で傷ついた心をもつ人物たちが愛を通して理解し、許し合うラブストーリーです。そこを皆様にはぜひ観て頂きたいです」

文/タナカシノブ