“レオ様”という愛称で親しまれ、1990年代からいまなお熱狂的な支持を集めるレオナルド・ディカプリオ。現役の俳優のなかで、彼ほどハリウッドスターという称号が似合う存在も珍しい。
ジョニー・デップの弟役を演じた『ギルバート・グレイプ』(93)で驚異的な存在感を見せつけ、映画ファンの間でその名が知られるようになると、持ち前の甘いルックスで青春スターとしての地位を確立。そしてジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』(97)が世界的な大ヒットを記録することで、その人気を不動のものとするのだ。

2000年代に入れば演技派俳優として、名だたる巨匠監督たちの作品に引っ張りだことなり、プロデューサーとしても活躍。これまでゴールデン・グローブ賞では12度ノミネートされ3度受賞。アカデミー賞では演技部門に6度候補にあがり、5度目のノミネートとなった『レヴェナント:蘇えりし者』(15)で悲願の受賞を果たすなど、名実ともにハリウッドのトップを走りつづけている。
本稿では、そんなディカプリオの出演作のなかから映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家からの評価が高い10作品を紹介していきたい。

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。
好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されている。

それでは、ディカプリオ出演作のフレッシュ作品10傑を挙げてみよう。

■96%フレッシュ『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(02)
■90%フレッシュ『ディパーテッド』(06)
■90%フレッシュ『ギルバート・グレイプ』(93)
■89%フレッシュ『タイタニック』(97)
■87%フレッシュ『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)
■87%フレッシュ『インセプション』(10)
■86%フレッシュ『アビエイター』(04)
■85%フレッシュ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)
■84%フレッシュ『マイ・ルーム』(96)
■79%フレッシュ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(14)


キャリア初期の代表作から近年の話題作まで幅広い10作品が並んだなかで、もっとも高い96%フレッシュの評価を獲得したのは、スティーヴン・スピルバーグ監督の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。大胆不敵な手口で1960年代にアメリカ中を騒然とさせた天才詐欺師フランク・W・アバグネイルを演じ、名優トム・ハンクスと演技合戦という名のコミカルな追いかけっこを展開。持ち前の演技力を開花させ、『タイタニック』後に突入した数年間の低迷期から抜けだすことに成功する。

この『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』と同じ年に公開された『ギャング・オブ・ニューヨーク』(02)で、初めてタッグを組んだ巨匠マーティン・スコセッシ監督とのコラボレーションは、ディカプリオのキャリアにおいて最大の転機と言っても過言ではないだろう。
2度目のタッグとなった『アビエイター』では、自ら製作総指揮を兼任し、伝説の億万長者ハワード・ヒューズを鬼気迫る演技で再現。ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞する。

そして3度目のタッグとなった『ディパーテッド』は、リメイク映画でありながらアカデミー賞で作品賞など主要4部門を受賞。6度目の監督賞候補となったスコセッシ監督に悲願の初オスカーをもたらすことにもなり、ディカプリオ×スコセッシの黄金タッグはより盤石の信頼を勝ち取ることに。その後も『シャッター・アイランド』と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』と、いずれも興行・批評の両方で成功。とくに『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でのディカプリオの弾けた演技は、新境地と呼べるほどのインパクトを放つことに。

ほかにも87%フレッシュを獲得した『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督や、87%フレッシュの『ジャンゴ 繋がれざる者』と85%フレッシュの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のクエンティン・タランティーノ監督など、名だたる巨匠から中堅の人気監督までに厚い信頼を寄せられているディカプリオ。

今後もアダム・マッケイ監督が手掛ける豪華スター共演のNetflix映画『Don’t Look Up』や、スコセッシ監督と6度目のタッグにしてロバート・デ・ニーロと共演する『Killer of the Flowering Moon』などの話題作が続々と控えるが、今後も演技派俳優として、そしてハリウッドを代表するスターとしてスクリーンで唯一無二の輝きを見せてくれることだろう。

文/久保田 和馬