大好きな作品や大ヒット作に出演したキャストたちは、ほかにどんな活躍をしているのか?そんな疑問に答えるこの企画。今回は、6月11日の「金曜ロードSHOW!」で放送される『グーニーズ』(85)。製作総指揮をスティーヴン・スピルバーグ、脚本をのちに「ハリー・ポッター」シリーズを手掛けるクリス・コロンバスが務め、伝説の海賊の財宝を探す少年少女たちの大冒険が描かれる。オスカーを最多受賞したファンタジー大作の出演者や、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のあの“ラスボス”を演じた俳優も登場する!

舞台はオレゴン州の港町、アストリア。13歳のマイキーは兄のブランドとくすぶった日々を過ごしていた。住んでいた家が借金のカタに差し押さえられ、明日にも引っ越さなければならないからだ。そんな時、友人のマウス、チャンク、データら「グーニーズ」の面々とともに屋根裏部屋で、海賊が隠した宝の在り処を記した古い地図を発見する。宝を見つければ借金を返済できると考えたマイキーたち。止めようとするブランドを縛り付け、4人は地図が示す岬を目指すが、そこは悪名高いギャング「フラッテリー一家」のアジトだった。

■『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でホビット族のサムを演じたショーン・アスティン<マイキー役>

父親から海賊伝説を聞かされて育ち、冒険を夢見る少年のマイキー。彼を演じたのは、『奇跡の人』(62)で第35回アカデミー賞助演女優賞を受賞したパティ・デュークを母に持つショーン・アスティンだ。本作以降は『ルディ 涙のウイニング・ラン』(93)で主演を務めたのち、最終章である『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)が第76回アカデミー賞において作品賞を含む11冠に輝いた『ロード・オブ・ザ・リング』三部作に出演。

主人であり親友のフロド(イライジャ・ウッド)を支えるホビット族の庭師、サムという役柄で、その献身的で純朴なキャラクターや、クライマックスで満身創痍のフロドを背負って滅びの山を登る姿が大勢の涙を誘った。

『ロード・オブ・ザ・リング』では、作品の完結後もコミコンなどのイベントに参加しているほか、昨年はオンラインで開催されたチャリティの同窓会企画にも出演し、イライジャ・ウッドら共演者との仲良しな姿も見せてくれている。本作以外にも、Netflixの大ヒットドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のシーズン2から、ボブ・ニュービーという重要キャラクターで登場している。

■サノスにケーブル…アメコミ作品でも存在感を発揮するジョシュ・ブローリン<ブランド役>

マイキーの兄でいつもトレーニングをしているブランド役は本作が映画デビュー作となったジョシュ・ブローリン。特に2000年代後半からの活躍が目覚ましく、コーエン兄弟の『ノーカントリー』(07)や『トゥルー・グリット』(10)、リドリー・スコットの『アメリカン・ギャングスター』(07)にジョージ・W・ブッシュを演じた『ブッシュ』(08)、第81回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『ミルク』(08)といったシリアスな話題作に数多く出演。麻薬カルテルとの戦いを描いたドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』(15)と、その続編でステファノ・ソッリマが監督を引き継いだ『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(18)でのベニチオ・デル・トロとの痺れるかけ合いも印象的だった。ヴィルヌーヴ作品では『DUNE/デューン 砂の惑星』(10月公開予定)が控えている。

そんな卓越した演技力を誇るブローリンだが、近年もっとも強烈なインパクトを残した作品といえば、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)や『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)に登場した最強の敵、サノスだろう。自身の目的を遂行するため、全宇宙の生命の半分を消し去ろうとする彼を前に、次々とヒーローたちが敗れていく姿に絶望感を抱いた人も多いはず。アメコミ作品では『デッドプール2』(18)にも出演。荒廃した未来からやって来た戦士、ケーブルを演じており、劇中でデッドプールにいじられたり、「サノス」と呼ばれたりしている。ちなみに、『デッドプール』の製作スタジオだった20世紀FOXがウォルト・ディズニー・スタジオに統合されたが、今後、ケーブルとして再びブローリンがMCUに参戦するのかも気になるところだ。


■1980年代を代表する作品で名子役として活躍したコリー・フェルドマン<マウス役>

スペイン語ができてお調子者、悪ぶった態度をとるなど少し生意気なマウスを演じていたのは、『タイム・アフター・タイム』(79)で映画デビューしたコリー・フェルドマン。本作以外にも、『スタンド・バイ・ミー』(86)に軍人に憧れる大きなメガネが特徴のテディ役で出演しているほか、『13日の金曜日 完結編』(84)や『グレムリン』(84)、『メイフィールドの怪人たち』(89)といった1980年代を代表する青春&ホラー映画の名子役として存在感を放っていた。しかし、大人になってからは大麻やヘロイン中毒に苦しみ、俳優としての活動も減少。それでも、2000年代以降はリアリティ番組などへの出演を経て徐々に復帰し、ケイティ・ペリーの「Last Friday Night」のPVで彼の姿を確認することができる。

■俳優を引退し、弁護士となったジェフ・コーエン<チャンク役>

ピザとお菓子が大好きで、ずんぐりした体格が愛らしいチャンク。フラッテリー一家に監禁され、その末弟のスロース(ジョン・マトゥザック)と仲良くなる彼を演じていたジェフ・コーエンの“その後”は、なんと弁護士になっているという。本作以降もオムニバス形式の「世にも不思議なアメージング・ストーリー」といったテレビドラマに出演していたが、芸能界を引退して法律の道へ。

現在はロサンゼルスを拠点に、エンターテインメント業界を扱う弁護士として活躍しているようだ。俳優業は行っていないものの、DVDのオーディオコメンタリーに出演しているほか、『グーニーズ』関連のイベントにも顔を出しており、昨年も上記の『ロード・オブ・ザ・リング』と同じオンラインの同窓会企画にアスティンやブローリンらとともに参加している。

■製作スタッフとして木村拓哉の通訳も務めたキー・ホイ・クァン<データ役>

アジア系の少年であまり役に立たない(?)発明品をいくつも披露していたデータ役は、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84)でもインディの相棒、ショート・ラウンド役で出演していたキー・ホイ・クァンだ(現在はジョナサン・キー・クァンとして活動)。当時、日本ではファンクラブができるほどの人気があったそうだが、コーエンと同じく俳優とは別の道を進み、『X-MEN』(00)や『ザ・ワン』(01)といったハリウッド大作で武術指導にあたるなど、製作スタッフとして数多くの作品に携わっている。ウォン・カーウァイの『2046』(04)にも参加しており、木村拓哉の通訳を務めていた。

■グーニーズと一緒に冒険するアンディ&ステフを演じたキャストたち

このほかでは、ブランドが好意を寄せているチアリーダーの少女、アンディを演じていたケリー・グリーンは、チャーリー・シーンやウィノナ・ライダーと共演した『ルーカスの初恋メモリー』(86)以外ではあまり目立った出演作は見られないが、俳優業は続けている模様。一方、アンディの友人でマウスとよく衝突していたステフ役のマーサ・プリンプトンは映画に舞台、テレビドラマと順調にキャリアを継続。2008年には舞台「トップ・ガールズ」で第62回トニー賞の助演女優賞にもノミネートされている。

■現在の映画界を代表する若き日のヒットメーカーたちも

また、スピルバーグやコロンバスといった名前に目が行きがちな本作だが、2人のほかに製作総指揮としてフランク・マーシャルとキャスリーン・ケネディも名を連ねている。プライベートでは夫婦のふたり。マーシャルといえば、「インディ・ジョーンズ」シリーズに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』三部作、『ジュラシック・ワールド』(15)に『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)と数多くのビッグタイトルをプロデュース。

ケネディも代表作を挙げればきりがないが、近年ではルーカスフィルムの社長を務めており、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)から始まる続三部作にスピンオフ、配信ドラマシリーズの「マンダロリアン」も手掛けるなど、現在の『スター・ウォーズ』の世界を構築しているといっても過言ではない人物だ。

こうして振り返ってみると、ショーン・アスティンとジョシュ・ブローリンの活躍が光るが、俳優とは別の道を進んだジェフ・コーエンやキー・ホイ・クァン、着実に演技を磨いてきたマーサ・プリンプトンもいるなど、様々な人生模様を垣間見ることができる。さらに、スピルバーグをはじめ、のちの映画界を代表することになる若きヒットメーカーたちが参加していたことも興味深い。そんなことを考えながら作品を観れば、新たな発見もあるかもしれない。

文/サンクレイオ翼