世界基準のアクションとハッピーな笑い、伝説の殺し屋ファブルを演じた主演の岡田准一をはじめ多彩なキャスト陣が話題となった19年の大ヒット作の続編『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』。現在絶賛公開中の本作は、岡田自身がその超人的な肉体で挑んだ決死のアクションも笑いもすべてがパワーアップ! その日本映画のレベルを超越したエンタテインメント精神が話題を集めて、今回も初登場第1位の大ヒットを記録している。
日本の新作アクション映画では初の同時公開となる「ドルビーシネマ」で鑑賞すれば、興奮と感動も倍増。スタッフとキャストがこだわり抜いたアクションを、最大限に楽しめる!本稿では『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』を「ドルビーシネマ」で観た実感を、本作のプロデューサーとドルビーシネマ版の作業に取り組んだスタッフのコメントを交えながら具体的に紹介していきたい。

■「ドルビーシネマ」って? 普通の映画体験となにが違うの?

まずは、「ドルビーシネマ」を構成する大きな特徴を解説しよう。

1.「ドルビービジョン」…従来のTVの40倍以上に相当する輝度と広色域の色彩、最大1000倍以上のコントラストからなる最新の映像技術で、奥行きとディテールがより鮮明に。通常の映写技術ではできなかった本当の「黒」の再現も実現させている。

2.「ドルビーアトモス」…平面的に音が出ている通常の映画上映とは違い、シーンに合わせてサウンドが頭上を含め、縦横無尽に動き回る立体的な音響システム。その細やか&深みのあるサウンドによって、観客も映画の中にいるような没入感が味わえる。

■冒頭のカーアクションシーンから「ドルビーシネマ」の威力が全開!!

そんな「ドルビーシネマ」によって、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のおもしろさや魅力がどのようにバージョンアップしたのか?本作の最大のウリは、言うまでもなく岡田准一の生身のアクションだが、映画のオープニングを飾る立体駐車場でのアクロバティックなカーアクションシーンで「ドルビーシネマ」の効果が早くも全開。

暴走する車にしがみつき、引きずられるファブル(岡田)。そんな彼が、衝突する軽トラなどを身軽にかわしながら、車内に飛び込み、落下する車中から捉えられていたヒナコ(平手友梨奈)を抱えてダイブする決死のアクションシーンだ。

暴走する車のタイヤの軋む音が耳をつんざき、ほかの車と衝突する度にドーン!ガーン!ガチャーン!といった振動音が身体を突き抜ける。障害物が次々に視界に飛び込んでくるリアルな映像は、実際にその車に乗っているような衝撃だ。本作の「ドルビーシネマ版」の制作に携わったスタッフも「肩甲骨ごと音につかみとられるような感じだった」という生々しいコメントを残しているほど。岡田准一がどれほどクレイジーで命知らずなのかが、全身で体感できるというわけだ。

■クライマックスでは決死のスペクタクルが轟音と共に迫ってくる!
極めつけは、江口カン監督命名によるクライマックスの「団地パニック」。崩れかけた作業用の足場に宙づりになりながら、敵と生身のバトルを繰り広げていたファブル。足元からドミノ倒しのように崩壊していく足場の上を、激走しながら少女の救出に向かうこの一連は、トム・クルーズの作品にも負けないスリルが味わえる。

それだけに、より大きなスクリーンと「ドルビーシネマ」で体感したい。足場をカンカンカンカンという金属音で駆けるファブルの靴音、足場が次々に崩れ落ち、地面へと叩きつけられる衝撃音がリアルな大音量で迫ってきて、心臓がよりバクバク。本作のプロデューサーも「ドルビーシネマがアクションの迫力を何倍も高めてくれた」と手放しで絶賛する。さらに、制作スタッフも「四方八方から聴こえてくる音によって、観客もファブルと一緒に敵に囲まれているようなリアリティが味わえます」とそのねらいを強調。「終盤の爆発シーンでは、自分もあのスペクタクルに巻き込まれたような感覚になるはずです」

■詳細なディテールとクリアな音で衝撃の結末がよりドラマチックに

「ドルビーシネマ」がその効果を発揮するのは、アクションシーンだけではない。それを象徴するのが、森の中で迎える映画全体のクライマックスシーンだ。ネタバレになるので詳細は書けないが、岡田をはじめ、木村文乃、堤 真一、平手友梨奈、安藤政信といったメインキャストが勢ぞろいしたこの一連では、「ドルビーシネマ」によって木々の細かいディテールや奥行き、光の濃淡がくっきり。

最大64個のスピーカーから出る音も、激しく激突するキャストたちのセリフを伝えているが、制作スタッフは「それだけではない」と「ドルビーシネマ」の真価を解説する。「大音量のシーンに限らず、静かなシーンも、セリフ、効果音、音楽がひとつひとつ個別に、クリアに聴こえるようにしています」。そうした微細な空間演出によって、衝撃の結末がよりドラマチックなものへと昇華している。

■コミカルな岡田准一、センシティブな平手友梨奈もよりくっきり!

ここまで読んでいただけば「ドルビーシネマ」の威力は十分伝わったと思うが、『ザ・ファブル』シリーズ&岡田准一のファン、平手友梨奈のファンは特に次のシーンの「音」にも注目して欲しい。本作のファンなら知っての通り、ファブルは大の猫舌。なのに、今回も熱いコーヒーや熱いタコ焼きを食べるシーンが登場し、その度に「ふ〜ふ〜」を繰り返す。タコ焼きを何度も冷ましたあと頬張り、熱くて口のなかで転がしたりする、その「ふ〜ふ〜」音や転がし音の細部までしっかり聴きとれて、岡田がよりコミカルに見えてくる。

一方、平手が演じる車椅子の少女ヒナコは、公園の鉄棒で必死に訓練しているシーンの息遣いやうめき声が、鉄棒の金属音などとはっきり分かれて聴きとれるのが印象的。その微細な芝居によって、なんとしても自分の足で歩きたいヒナコの強い意思がより生々しく伝わってくるのだ。

スタッフやキャストが突き詰めたド迫力のアクションや繊細な表現は、通常の映画版では味わえない。一度観ている人も「ドルビーシネマ」で本作をもう一度観ることをオススメしたい。革新的な映像体験は、あなたに新しい気づきと感動をもたらしてくれるだろう。

文/イソガイマサト