昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大で通常通りの開催が中止となったカンヌ国際映画祭が、例年より約2か月遅れとなった現地時間7月6日に開幕。ヘレン・ミレン、マリオン・コティヤール、ジョディ・フォスターらが艶やかなドレス姿で集結し、久しぶりに華やかなスターの祭典が復活した。

今年はやや規模を縮小し、屋内でのマスク着用義務や、欧州連合間ではワクチン接種証明書の提示で自由に会場内を行き来できるというルールがあるというが、「New York Times」の記者によれば、米国から訪れた米国人記者が記者会見に参加するためには、ワクチン接種済であっても48時間ごとの陰性証明の提示が求められ、アクセス環境が厳しくなっているという。

しかし、「劇場内でのマスク着用義務があるにもかかわらず、オープニングを飾った『Annette』の上映前に、記者の周囲の4人中3人がマスクを外したが、劇場の係員は肩をすくめるだけ。また上映終了後は5分間のスタンディングオベーションがあり、レオス・カラックス監督と出演者のアダム・ドライバーは、タバコをくゆらせていた」という。

またコロナの感染拡大を防ぐためにプレミア後のダンスパーティが中止された代わりに、ディナーパーティが行われたそうだが、音楽がかかった会場で、人々が大声を上げ、長時間飲みながら語り合う姿には、米国内でも規制が厳しかったNYベースの記者や、その場に居合わせた審査員でNY在住の米国人マギー・ギレンホールも驚きを隠せなかったようだという。「1年半、Zoomとスウェットパンツで過ごした後、映画業界の人々は皆、本来の楽しいスタイルに戻ることを切望していたようだ」として、フランスでもデルタ株が蔓延するなかでの、華やかでマスクなしの映画祭が復活した現状を驚きを持って伝えている。

さらに今年は、ソーシャルディスタンスとキスなしという厳しい規制のもとで、俳優らがマスクなしでレッドカーペットを歩くことが認められるが、「同映画祭の会長が、ジェシカ・チャステインや、フランス元大統領の妻で歌手のカーラ・ブルーニの頬にキスをするなど、開幕早々規則が破られた」と「BBC」などが伝えている。

日本からは濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)と、今年から新設されたカンヌ・プルミエール部門で、細田守監督のアニメ映画『竜とそばかすの姫』(7月16日公開)がノミネートされている同映画祭は、現地時間17日まで開催される。

文/JUNKO