村上春樹の連作短編集「女のいない男たち」に収録された同名短編小説を、『ハッピーアワー』(15)や『寝ても覚めても』(18)の濱口竜介監督が映画化した『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)。現在開催中の第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に日本から唯一正式出品された本作の公式上映が、現地時間11日に行われ、濱口監督らがレッドカーペットに登場した。

西島秀俊が主演を務めた本作。俳優で演出家の家福は、愛する妻と満ち足りた日々を送っていたのだが、ある日妻は秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。それから2年の月日が流れ、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去を持つ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごすなかであることに気付かされていく…。

昨年は新型コロナウイルスの影響によって中止となり、2年ぶりの開催となったカンヌ国際映画祭。夏日の晴天に恵まれた会場のレッドカーペットに姿を現したのは、濱口監督と三浦透子、霧島れいか、そしてソニア・ユアンの4名。会場に詰めかけたマスコミからも歓声が上がり、濱口監督らも報道陣に手を振りながら上映会場へ。そして約3時間の上映が終わると、満席の会場は拍手喝采のスタンディングオベーションに包まれ、濱口監督は目を潤ませる一幕も。

『万引き家族』(18)が日本映画として21年ぶりに最高賞のパルムドールに輝いた第71回カンヌ国際映画祭に『寝ても覚めても』が出品されて以来、2作連続のコンペティション部門参戦となった濱口監督。受賞結果の発表と授賞式は現地時間7月17日(土)の夜に行われる予定。本作から届けられる吉報に期待したい。

<スタッフコメント>
●濱口竜介(監督) 
「こんなに大きな拍手を頂けて感動しています。ありがとうございます。初めて劇場で皆さんと観て、3時間近く一緒に旅をしているような気持ちで観ました。幸せな時間でした。この感激を日本に帰ったら、一緒に仕事させていただいた主演の西島さんや岡田さんたちキャスト、そして支えてもらったスタッフの皆さんと分かち合いたいと思います。皆さんが集中して観ていただけたという感覚があったので、すごく感激しました」

●三浦透子
「すばらしい劇場で、たくさんの人たちと大きな画面でこの映画をみることができました。この映画を、この先の人生でもたくさん観るだろうけれど、この経験を超えるものは二度とないだろうなという、特別な空間で、特別な経験をすることができました。本当に幸せです、ありがとうございます」

●霧島れいか
「非常に感動しました。一生の思い出になりました。今日ここにいるべきキャストの方たちがいないのが残念ですが、いっぱい報告すべきこともできました。いい経験をさせていただき、ありがとうございました」

文/久保田 和馬