『四十九日のレシピ』(13)、『ミッドナイト・バス』(17)の原作者、伊吹有喜による同名小説を映画化する『今はちょっと、ついてないだけ』。同作の主要キャストを玉山鉄二と深川麻衣が務めることが発表された。撮影は今年9月よりスタート予定で、2022年春に公開される。

千葉県茂原市、長野県千曲市、愛知県幸田町、長崎県島原市の4都市の製作協力によって今年9月から撮影をスタートする本作。かつて人気カメラマンだった主人公が上京して住み始めるシェアハウスを舞台に、その中で“心から欲しているもの”は何かを見つめ直そうとする優しい感動のドラマが紡がれる。

今作で、かつてスター・カメラマンだった主人公の立花浩樹を演じるのは、NHK連続テレビ小説「マッサン」(14)に主演し、最近ではNetflixの「全裸監督」でも注目を集める玉山。さらに人付き合いが下手で美容サロンをリストラされる美容師の瀬戸寛子を、主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』(18)『おもいで写眞』(21)などで目覚ましい活躍を見せる深川が演じる。

脚本と監督を手掛ける柴山健次は、原作で主人公が母からかけられた「今はちょっと、ついてないだけ。そのうちいい運がやってくるよ」という言葉に心が震えたと言い、「この物語の登場人物たちは人づきあいが下手だったり、時代についていけなかったりと、うまくいかない人生に対して、『どこで判断を誤ってしまったのだろう?』、『⾃分の望んで来た幸せはこれだったのか?』という思いに苛まれている。しかし、この言葉によって、これまでの時間は肯定され、次の⼀歩を踏み出す勇気を得ることになるのではないだろうか」と、製作に至った思いを語っている。

主演の玉山も「『やれば出来る』、『努力すれば必ず夢はかなう』大人たちに教わったこの言葉で、苦しんだ人達は少なからずいると思います。なぜ『今はちょっと、ついてないだけ』と言ってくれなかったのかと。観ていただいた方々から『少し肩の荷がおりた』と言っていただけるような作品になればと思います」とコメントしており、この先を生きる勇気を与えてくれるやさしい眼差しの今作の完成を楽しみに待ちたい。

<キャストコメント>

●玉山鉄二(立花浩樹役)

「『やれば出来る』、『努力すれば必ず夢はかなう』大人たちに教わったこの言葉で、苦しんだ人達は少なからずいると思います。なぜ『今はちょっと、ついてないだけ』と言ってくれなかったのかと。人生に惰性や楽観を生み出せる事も人間の強さ。今、こういう社会だからこそ、セカンドチャンス、人生の敗者復活戦があっても良いと思います。観ていただいた方々から『少し肩の荷がおりた』と言っていただけるような作品になればと思います」

●深川麻衣(瀬戸寛子役)

「生きていると、誰しも日々いろいろな出来事に直面すると思います。楽しいことばかりではなく、思わず後ろ向きになってしまうことや、もしもあの時に戻れたら…。という後悔を持つことも。この物語は、過去を見て見ぬふりをしたり、無かったことにして前に進むのではなく、本当の意味で今までの自分を受け入れて、人生を歩んでいく勇気をそっと分けてくれるような、そんなあたたかいお話です。皆さまの人生にそっと寄り添えるような映画になりますように」

文/富塚沙羅