第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、4冠受賞の快挙を遂げた『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)のプレミア上映イベントが、8月12日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか、濱口竜介監督が登壇。8月15日(日)に32歳の誕生日を迎える岡田を全員がサプライズでお祝いし、西島からの心温まるメッセージに岡田が感涙するひと幕も。

西島秀俊主演で、村上春樹の短編を映画化した『ドライブ・マイ・カー』は、愛する妻(霧島)を失った俳優で演出家の男(西島)が、あるドライバー(三浦)や人々との出会いを通して、再生する人間ドラマ。カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画として初となる脚本賞を受賞したほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞を含め、合計4冠を受賞した。

濱口監督は今年、オムニバスの短編映画『偶然と想像』(21)でも、第71回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で審査員グランプリを受賞している。

西島はカンヌでの4冠受賞について「濱口監督がすごい監督だということはずっと感じていましたが、本当にこれからもっと世界でたくさんの人たちに認められて、どんどん傑作を作っていくんだなと思いました。今年はベルリンでも獲っているので、これからすごいことになるんだろうなと」と濱口監督を称える。

濱口監督は「脚本賞といっても、脚本は当然映画には映っていないもので、この映画は特に、役者さんの演技を通じて感じてもらえたんじゃないかと思っていて。本当に役者さんの演技がすばらしいものじゃなければいただけなかったと、心の底か思っています」とキャスト陣に感謝した。

続いて、岡田と西島が、車のなかでやりとりするシーンの話題に。岡田は「今まで撮影してきたなかでも、本当に忘れられない撮影で、いまだにずっと残っていて、死ぬまでの頭の中で残っていくシーンなんだろうなと」と感無量の様子。西島も「本当にいま、すごいことが起きているって感じました。僕も僕がいままで出てきた映画の中で、岡田くんのあの演技はベストの演技の一つだと思っています」と岡田を手放しで絶賛する。

同シーンに居合わせた三浦も「今回この作品で、お芝居を音だけで聞く、感じるみたいなことが全編通して多くて。それは初めての感覚でしたが、特にあの2人のシーンでは、私はその会話に関わっているわけではなかったけど、その空間作りには参加しているような感覚でした」と大いに心を揺さぶられたようだ。

最後に、岡田の誕生日を祝い、サプライズのフラワーケーキ(ケーキ型の花束)が登場。「お誕生日おめでとうございます」と声がかかると、岡田は驚いて「すいません!ありがとうございます」と恐縮する。

西島は「岡田くんがすばらしい俳優さんだということは分かってましたが、今回のインタビューで『岡田くんの車の中の演技がすごかった』とよく言われました。僕も本当に、すさまじいことが起きていると思ったし、きっと岡田くんのキャリアの中でベストの演技の1つだと思います」と再び称え「岡田くんはこれからもっともっと本当にすごい俳優さんになっていくと思うので、これを超える演技をどんどんやってもらい、僕はそれをスクリーンやテレビとかで観ていきたいです。いちファンとして本当に応援しています」とコメント。

岡田はうれしさのあまり感涙し「ありがとうございます」とハンカチで涙をぬぐい「あのシーンは自分自身でもけっこうびっくりしていました。すごいことが起きてるんだなって、自分自身も感じながらの撮影でした」と繰り返し「だから、あれを超えるシーンを、死ぬまでに西島さんに見せたいと思っています」と力強く抱負を口にした。

取材・文/山崎伸子