ヒュー・ジャックマン主演映画『レミニセンス』(9月17日公開)のLA生中継舞台挨拶&日本最速試写会が8月26日にスペースFS汐留で開催され、LAからリサ・ジョイ監督と製作のジョナサン・ノーランがリモート出演し、山崎貴監督がゲストとして登壇した。舞台挨拶では、CGに頼らずリアルな撮影にこだわった現場の撮影秘話や、宮崎駿監督作『千と千尋の神隠し』(01)へのオマージュを捧げたシーンなど、興味深い裏話が明かされた。

ジョナサン・ノーランは「ダークナイト」シリーズや『インターステラー』(14)などのクリストファー・ノーラン監督作での名脚本家としても知られる。また、ジョナサンの妻でもあるリサ・ジョイ監督は、海外ドラマ「ウエストワールド」でも、夫婦タッグを組んでいる。『レミニセンス』は、ノーラン監督作の時間軸マジックをさらに進化させた、記憶のトリックにまつわる新感覚SFサスペンス映画となっている。

ノーラン作品の大ファンだという山崎監督は、その魅力について「ちゃんとハードSFをやりながら、興行的に成功しているという意味で、すごいことをしている」と手放しで絶賛する。

リサ・ジョイ監督は最初の挨拶で「実際に来日したかったのです。近いうちにそれが叶うことを願っています」と、ジョナサンは「僕たちも山崎監督のファンでもありますし、私たちの作品をこうやってご紹介してくださるということでありがとうございます」と感謝した。

本作を手掛けるにあたり、影響を受けた作品を尋ねられたリサ・ジョイ監督は「多くの作品から影響を受けております。『ブレードランナー』もそうですし、義理の兄(クリストファー・ノーラン)もSF作品を手掛けておりますし。ただ今回はちょっと違ったアプローチしたいと考え、女性の視点から描くことにしました。例えば電車のシーンは『千と千尋の神隠し』に対するちょっとしたオマージュなども入っています」と語り、また一人の人間を様々な角度から描かれるという点については「(黒澤明監督作の)『羅生門』や、(アルフレッド・ヒッチコック監督作の)『めまい』なども参考にしています」と答えてくれた。

また、記憶潜入(レミニセンス)について描く本作では、記憶を再生する装置が登場するが、ここで描かれるホノグラムもCGではなく、リアルな撮影にこだわったというリサ・ジョイ監督。その理由については「今まで映画の中で登場しているホノグラムというのは、VSXで作られていることが多かったけど、今回は役者が記憶に触れられるかのようにやり取りすることがとても重要だったので、実際に撮影しました」と言うと、山崎監督は「役者にとってはやりやすい環境ですが、それをやるためには、大変なことをしているはず。まずは、ホノグラムの映像を先に撮らなければいけないですよね」と指摘する。

リサ・ジョイ監督は「そこは一つの挑戦でした。山崎監督がおっしゃったように、先に撮影しておかなければいけなかった。しかも、アングルも考えなければいけないし、ヒューがそれを見て、歩き回るというシーンもあり、いろいろと考えなければいけなくて。あの現場では数学を駆使しました。技術スタッフさんや、私自身が物差しを持って走り回り、いろいろなところを測りながら撮影しました。大変でしたけど、楽しかったです」と語ると、山崎監督も感心しきりの様子だった。

取材・文/山崎伸子