1999年に週刊少年ジャンプで連載が開始されると、2001年にはテレビアニメシリーズ、2003年にはミュージカル化と、いずれも新シリーズを含め現在も継続する国内でも有数の人気コンテンツとなっている「テニスの王子様」。シリーズ初となる3DCGアニメ『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』が公開中のいま、とどまることを知らない“テニプリ”のメディア展開、20年の軌跡を振り返りたい。

「テニスの王子様」とは、主人公でアメリカ育ちの越前リョーマがテニスの名門中学校、青春学園(通称“青学(せいがく)”)に入学し、個人として大きく成長しながらチームメイトたちと全国大会優勝を目指していくストーリー。最新作にもタイトルに名前が刻まれているリョーマは、伝説のテニスプレイヤー、越前南次郎を父に持ち、アメリカのジュニア大会で4連続優勝するなど相当な実力の持ち主だ。しかし、そんな彼の前に現れるのは、天才的なテクニックを持ってしても苦戦するようなツワモノばかり。1年生にして青学テニス部でレギュラーとなったリョーマは、氷帝学園や立海大附属といった強豪校との対戦に向け、仲間たちとともに練習を重ねていく。

■“超次元テニス”がクセになる!本作の礎となった原作コミックス

「テニスの王子様」は2008年に完結するまでの約9年間にわたって連載され、2009年からは「ジャンプSQ.」にて、リョーマたちの全国大会後の姿を描く「新テニスの王子様」もスタート(現在も連載中)。連載当初は実在のテニスでも使われる必殺技なども描写されていたが、想像をはるかに上回る展開の連続で、瞬く間に読者を夢中にさせていった。

たとえば、磨き抜かれた眼力によって相手の骨格や関節を透視したり、相手の五感を奪ったりするほか、選手のサイズが巨大化したり、ネットが燃えるといったものまで。そのような物理法則さえも超越した必殺技を持つ強敵が次々と登場するなかで、決して屈することなく、がむしゃらに試合に挑んでいくリョーマたちの姿もまた、本作の魅力の一つと言える。

また、テニプリの登場キャラは中学生がメインだが、その多くが大人びたルックスをしている。テニスに取り組む姿勢や人生観も中学生離れしたクールな面がうかがえるが、それは多くの練習や試合を重ねたことで磨かれてきたものなのだろう。

■キャラクターをもっと深く知れるOVAも!テレビアニメシリーズならではの良さ

原作コミックのヒットを受け、2001年からはテレビアニメも開始し、2005年までの約4年間にわたって放送された。さらに2006年からは「全国大会篇」などの物語を収録した各種OVAもリリース、2012年には「新テニスの王子様」が放送、こちらものちにOVA化された。魅力的なキャラクターたちが繰り広げる手に汗握る熱い試合はもちろんだが、ビーチバレーやボーリング、ビリヤード、時には“焼肉” などテニス以外のことに燃える姿を映した回や、各キャラの過去が明らかとなるオリジナルストーリーも登場。テレビアニメ版の終盤では、リョーマら中学生選抜がアメリカ選抜との日米戦を繰り広げるなど、原作コミックとは違った展開も楽しむことができる。

■本郷奏多や城田優、柄本時生らが出演した、実写映画版

2006年には本郷奏多がリョーマ役を務めた実写映画も公開されている。なお青学の面々は、本郷を除き下記でも紹介する「ミュージカル『テニスの王子様』」の2代目キャストが担当しているほか、載寧龍二、柄本時生、伊達晃二らが選手として出演。さらに、越前南次郎には岸谷五朗、青学テニス部監督の竜崎スミレには歌手の島谷ひとみがキャスティングされ、リョーマの入学や校内ランキング戦、関東大会優勝を目指す姿などが描かれた。

■ついに4thシーズンに突入!2.5次元ミュージカルの元祖“テニミュ”

いまやメインカルチャーとも言える漫画やゲーム、アニメのミュージカルや舞台、いわゆる“2.5次元”の先駆けとなったのも「テニスの王子様」。「ミュージカル『テニスの王子様』」 は2003年から上演を開始し、キャストや演出を変更しながら現在4thシーズンに突入していることに加え、2020年12月からは「ミュージカル『新テニスの王子様』The First Stage」 が上演された。

「テニミュ」 は“若手俳優の登竜門”とも称され、これまでに実写映画にも出演した城田優や、加藤和樹、斎藤工、志尊淳といった舞台や映画、ドラマで活躍するキャストや、宮野真守、KENN、増田俊樹ら声優としても人気を集める面々と、多くのトップスターを輩出している。

注目したいのはその“表現方法”。キャラクターに扮したキャストたちが、ラケットを片手に歌い踊りながら試合を展開していく「テニミュ」 は、独自の超次元バトルを表現するための試行錯誤がふんだんに盛り込まれ、登場人物たちの熾烈な戦いが描かれていく。さらに、“スポット照明”と“SE(サウンドエフェクト)”でボールの動きを表現。舞台装置や美術、音、光、そしてキャストの演技を駆使して、「テニミュ」 ならではの試合を創りだしている。

■時を超えてリョーマが現役時代の南次郎に邂逅!フル3DCGで描かれる新作劇場版『テニスの王子様』

最新作『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』では、全国大会決勝の3日後に武者修行のため一人渡米したリョーマの姿を描く。LAに着いて早々、家族旅行中の竜崎桜乃がギャングに絡まれているのを見たリョーマは、彼女を助けるべくボールを放ち、それがきっかけでタイムスリップしてしまう。たどり着いたのはなんと、南次郎が引退に追い込まれた全米オープン決勝の数日前。父の引退の理由を知るべく南次郎とともに行動するリョーマらだが、そこから南次郎の引退に大きく関わる事件へと巻き込まれていくのだった。

本作では、リョーマや南次郎、桜乃に加え、手塚国光、跡部景吾、幸村精市、白石蔵ノ介をはじめとしたおなじみの面々や、エメラルド、ウルフ、ブー、フーらオリジナルキャラクターが登場。はたしてリョーマは南次郎の引退を止めることができるのか?予測不可能な物語に注目だ。

これまでに『劇場版 テニスの王子様 二人のサムライ The First Game』(05)や『劇場版 テニスの王子様 英国式庭球城決戦!』(11)などの劇場版シリーズでスクリーン狭しと死闘を繰り広げてきたテニプリが、3DCGではどのような活躍を見せるのかも注目ポイント。なお、そんな最新作を彩る新規劇中歌はすべて原作者の許斐剛が作詞作曲をおこなっている。そのこだわりぶりは、900曲を超えるキャラクターソングを有するテニプリならではと言えるだろう。

公開前に行われた本作の完成披露試写会では、これまでのキャラソン人気曲メドレーが、原作のマンガやイラストとともに映像化された「シアター☆テニフェスpetit!」の開催がサプライズ発表されるなど、盛り上がりが止まらない「テニスの王子様」。常に新境地を歩み続けるテニプリが見せる“最新型”をぜひスクリーンで見届けたい!

文/サンクレイオ翼