映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」で2016年に準グランプリに選ばれた脚本を、金井純一監督自身が映画化した『マイ・ダディ』が、9月23日(木・祝)より公開される。ムロツヨシにとって意外にも映画初主演となる本作は、難病を患った愛する娘を救うべく、無情な事実に立ち向かっていく父の愛を描くヒューマンドラマだ。

親子の関係が、親の視点と子どもの視点、そしてそんな彼らを支える人々の視点から丁寧に描かれており、どの世代の人にも刺さるものがある本作。その感動ポイントに、一足早く作品を鑑賞した様々な年代の人たちの声から迫っていきたい。

■映画初主演!ムロツヨシが魅せる名演に引き込まれる

小さな教会の牧師を務める御堂一男は、8年前に妻に先立たれ、牧師のほかにガソリンスタンドのアルバイトをしながら、中学生の娘、ひかりを育て上げてきた。娘との些細なケンカも時にはあるものの、平穏な日々を送っていたある日、ひかりが突然倒れ、白血病と診断されてしまう。この試練に打ちひしがれる一男だったが、さらに、娘と血がつながっていないという衝撃的な事実を医師から告げられてしまう。

度重なる残酷な試練に心が折れそうになりながらも、娘をなんとしても救おうと立ち上がる父、一男を演じるのはムロツヨシ。脚本と出会って2時間後には「一男を演じたい」と思い、出演を決めたというムロは、軽やかな物語の出発点から、徐々に重みを伴っていく繊細かつエモーショナルな演技を披露。温厚で平静な牧師が、思いがけぬ事態に直面して動揺し、そして葛藤を経て、覚悟していく姿を見事に体現している。

「ムロさんのふざけていないストレートな演技、やはり良いと再確認した」(50代・男性)
「また新しいムロツヨシさんの一面が見られたことが印象に残りました」(40代・女性)
「飲み会中の泣き笑いの演技に引き込まれた」(40代・女性)
「いろんな愛や感情を表現していて良かった」(30代・男性)

これまでの作品で見せてきた演技からユーモラスな印象が強いムロだけに、本作でのシリアスな演技に新鮮味を覚えた、心奪われたといった声が多く届いている。さらには、

「手の演技がとても印象的でした。様々なシーンで手のアップがあり、その時の心情が伝わりました」(女性)
「手術の際に『頑張れ』と言っているシーン、頑張れの言葉がとても重くいろいろな気持ちが含まれていると思いました」(20代・女性)

など、さりげない一幕での台詞回しや仕草からもムロの演技力を感じたという意見も。細部にまで心の機微が込められたムロの演技は、特に同世代の子どもを持つ人々に刺さったようで、以下のような言葉も並んでいた。

「もし(自分の)娘が…と思いながら観ました。途中から涙が止まりませんでした」(40代・女性)
「娘を想う父親に共感しました」(50代・男性)
「実体験ではないですが、自分の子どもじゃないと知った時の父親の心情はいかばかりかと切なくなりました」(60代・男性)

■新星・中田乃愛が体当たりで挑んだ難役…親子の深い絆が涙を誘う

そんな一男の娘、ひかりを演じ、ムロと見事に渡り合っているのが、オーディションで選ばれた中田乃愛だ。本作が本格的な演技初挑戦となるにもかかわらず、思春期に突入し、父親に対して素っ気ない態度を取りながらも、心の底では愛情を感じている中学生をナチュラルに表現。また平凡な日常が白血病によって崩されながらも前を向いて生きようとする様を、実際に髪を剃って坊主頭にし、体当たりで演じて見せている。

「中田さんの新人とは思えない心情描写が素敵でした」(30代・男性)
「笑顔がとても良かったです」(40代・女性)
「一番、演技が輝いていました」(50代・男性)
「オーディションで中田さんを選んだ監督の目に狂いはなかったと思います」(50代・男性)

など、彼女の心のこもった演技や笑顔に惹きつけられたという好意的な意見に加えて、同世代の女性からは共感したという以下のような熱いコメントも届いていた。

「私も父とどう接して良いのか分からなくなり、気まずいのを避けるため、会話をしなかったり、話すのが不得手になったり、ひかりの気持ちに共感できました」(10代・女性)
「教会に入る前のやりとり。年齢的にも自分と中田さんを照らし合わせて見ていて、素直になれないところなど共感できる部分は多かったです」(10代・女性)

そんな中田とムロによる、親子の絆の深さが感じられるやりとりについて、「反抗期の娘とその父の闘病中と完治後で見せる親子の距離感がリアルで、お2人はハマり役だなと思いました」(10代・女性)といった、リアルさと感動を覚えたという人も多かったようだ。

■演技派俳優が集結!誰の心にも刺さる新たな“家族”の物語

厳しい試練に立ち塞がれながらも必死に生きる父と娘に加え、8年前に他界した妻の江津子役の奈緒、教会の炊き出しに足を運ぶホームレスのチューさんを演じた光石研、ストリートミュージシャンのヒロに扮した毎熊克哉、一男が足を運ぶ定食屋の店員・久美子に臼田あさ美といった実力派キャストたちの堂々たる演技も、物語に深みをもたらしている要素の一つ。彼らが表現する喜びや悲しみといった人生に付きまとう様々な思いは、観客の心にも深く刺さってくるだろう。

たとえば、「出演シーンは少なかったですが、人の温かさを表現された(チューさん役の)光石さんの演技が印象深かったです」(20代・女性)
「チューさんの言葉がすごく染みました」(30代・女性)
「いつもは憎まれ口ばかりのチューさんが、炊き出しの感謝とひかりを心配する気持ちを伝えたところに心温まりました」(30代・女性)

といった声が多数届いているチューさんもまた劇中で印象的な存在だ。いつも「俺は神は信じない、カレーを食べに来てるだけ」と軽口ばかり叩いているくせに、いざという時には一男を心配して相談に乗るなど、持ちつ持たれつの人間関係を象徴するようなチューさんからは、温かみを覚えることができる。

チューさんのみならず、牧師の一男に助けを求める一方で、そんな一男が窮地に立たされた際には支えようとする彼らのコミュニティが見せる姿は、ある種の家族のよう。血縁だけが家族の形ではないという作品のテーマを象徴しているようにも思える。

「本当の親子関係とはなんなのか考えさせられる映画だった」(50代・男性)
「“家族”というものを考えさせてくれる本当の家族の映画です」(30代・女性)
「親子は血縁だけじゃないと改めて思いました。一緒に過ごす時間が大切なんだ、と。我が子をもっとしっかり見ていきたいと思いました」(40代・女性)

これらの言葉が目立ったように、様々な側面から「家族とはなにか」を観る者に訴えかけてくる『マイ・ダディ』。悲劇的といえる題材を扱いつつも、希望を与えるポジティブなメッセージが込められた本作を、ぜひ劇場で見届けてほしい。

文・構成/サンクレイオ翼