古田新太が主演を務め、松坂桃李をはじめ日本映画界を代表する実力派俳優が共演を果たした『空白』(公開中)。9月23日に公開初日を迎え、全国各地の劇場で満席回が出るヒットスタートを記録している本作の、オリジナル・サウンドトラックが10月1日(金)より順次配信されることが決定した。

『新聞記者』(19)などの意欲作を生みだしたスターサンズの河村光庸プロデューサーと、第34回東京国際映画祭で特集が組まれることも決まっている鬼才・吉田恵輔監督がタッグを組んだ本作。中学生の少女がスーパーで万引きしようとしたところを店長に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれて死亡してしまう。少女の父親は、彼女の無実を証明しようと店長を激しく追及するうち、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく…。

本作の音楽を手掛けたのは、『日日是好日』(18)や『ロマンスドール』(19)、『Arc』(21)など、近年さまざまな作品で音楽を担当してきたシンガーソングライターで映画音楽作曲家の世武裕子。多くの映画監督から絶大な信頼を寄せられており、本作でメガホンをとった吉田監督もその1人。吉田監督は「世武さん以外の劇伴は考えられませんでした」と振り返り、世武の手掛けた音楽を“世武マジック”と称して絶賛している。

107分ある本編の中で、音楽がかかるのはたったの4回だけ。「想定外のタイミングで感情の動きを感じられるようにしている」という吉田監督の言葉通り、本作の世界観を構築する上で欠かせない存在となっているようだ。是非とも映画館で世武の音楽に彩られた感動のラストを目撃し、サウンドトラックを聴きながら何度もその余韻に浸ってみてはいかがだろうか。

<スタッフコメント>

●世武裕子(音楽)

「この映画に生きている人々は、私たちが生きている世界と全く同じ世界で生きている。私自身、おそらく多くの人が望むように、なるべく平和で安心できて、やさしい社会に暮らしていきたいと思っているし、そんな市井の人々(私たち)を、できるだけあたたかい眼差しで見守るような音楽を書きたいと思いました。寂しさに押し潰されそうになった時、誰かに背中を押して欲しい時、この映画のことを思い出してください。その時に、このサウンドトラックを再生してほしいなと思います」

●吉田恵輔(監督)

「あまり音楽に詳しくない私ですが、人の映画を観て『この曲、作っている人誰だろう?』と初めて調べたのが世武さんでした。物語に優しく寄り添ってくれる音楽。さらに独自の世界観で映画を、より幻想的に彩ってくれる。『空白』の脚本も世武さんのCDを聴きながら執筆していたので、世武さん以外の劇伴は考えられませんでした。すばらしい音楽をありがとう」


※吉田恵輔の「吉」は「土」に「口」が正式表記

文/久保田 和馬