中山七里の小説を瀬々敬久監督が映画化した社会派ミステリー『護られなかった者たちへ』(公開中)の初日舞台挨拶が10月1日に新宿ピカデリーで行われ、佐藤健、阿部寛、清原果耶、瀬々敬久監督が登壇。佐藤が「寒くないですか?大丈夫ですか」と台風のなか駆けつけたファンを気遣った。

本作は、東日本大震災から10年目の仙台で起きた不可解な連続殺人事件を軸に、その裏に隠されたせつなくも衝撃の真実を描くヒューマン・ミステリー。連続殺人事件の容疑者として追われる主人公、利根役を佐藤が演じ、彼を追う刑事役を阿部が演じている。

この日は関東地方に台風16号が接近しあいにくの天気となったが、佐藤は「お足元の悪いなか、お越しいただきありがとうございます。寒くないですか?」と駆けつけた観客を心配し、「すみませんというか、僕のせいではないので、自然のことなのでコントロールできなくて…。こういった状況のなか、ここに来てくださる気持ちがなによりもうれしい。たくさんの方の支えがあって、初日を迎えることができました」と感無量の面持ちを見せた。

本作の完成披露の日も雨が降り、この日も台風とあって、佐藤の“雨男疑惑”が深まるなか、司会から「劇中の大事なシーンも雨が降ってますよね」と振られるひと幕も。佐藤は「阿部さんに追いかけられて走るシーンですよね。あれは雨のおかげで、いいシーンが撮れました。もともとは雨のシーンの予定ではなかったんですが『雨で中止かな』と思ったら、逆にそれを生かしていいシーンができた。よかったです。なんですか?」と“雨男疑惑”から目を背けるように語り、会場の笑いを誘っていた。

佐藤と阿部は今回、11年ぶりの共演となった。佐藤は「少しでも成長した姿を阿部さんにお見せしたいという気持ちもあって、気合が入っていました」と告白。阿部は「十分成長していた」と笑顔を浮かべ、「現場で、ずっと役のままでいる。その姿を見て背筋が伸びる想いがしました。立派になられたし、すばらしい俳優さんになられた」と佐藤の成長に目を細めていた。

また佐藤は「僕は阿部さんの連絡先を知らなかった。でもあとから、(共演者の)林遣都くんは、阿部さんとLINEを交換していたという情報を知った。衝撃を受けた」と肩を落としつつ、その後「無事に交換させていただきました」と明かすと、会場から拍手が上がった。佐藤が「阿部さんがどういうスタンプや絵文字を使うのかなと興味深かった。『佐藤です。よろしくお願いします』と送ったら、『お願いします』というシンプルな一言の後に“ぴえん”の顔がついていました。阿部さん、“ぴえん”を使われるんですね」と話すと、阿部は「なんだったら、もっとたくさん(送りますよ)」と楽しそうに答えていた。

本作で初めて、深夜0時を越える撮影を経験したというのが清原だ。瀬々監督が「清原さんは初の“てっぺん越え”を体験した。この作品で初めて朝まで撮影した。なぜなら、いままでは18歳だったからね。深夜0時以降は撮影ができなかった」と明かすと、清原は「そうなんです。できるようになってしまいました(笑)。撮影スケジュールも変わってきています。でも早く寝ないと、スタッフさんの身体も大事ですし。健康第一ですね」と睡眠の大切さを噛み締めていた。

取材・文/成田おり枝