開催中の第34回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション」部門上映作品『グッバイ、ドン・グリーズ!』の舞台挨拶が11月5日に角川シネマ有楽町で開催され、花江夏樹(ロウマ役)、梶裕貴(トト役)、村瀬歩(ドロップ役)、花澤香菜(チボリ役)、いしづかあつこ監督が登壇。チーム“ドン・グリーズ”のメンバーとして濃厚な掛け合いを演じた花江、梶、村瀬が「リズムを合わせた」というアフレコを楽しそうに振り返った。

本作は「宇宙よりも遠い場所」のいしづか監督が手がけたオリジナル劇場アニメーション。制作はMADHOUSEが担った。東京から少し離れた田舎町に暮らす少年ロウマと、高校進学を機に上京したトト、そしてある事情から田舎町にやってきたドロップの3人が繰り広げるひと夏の冒険を描く。

花江が「ロウマは高校生になりたてくらいの年齢。それくらいの年齢って反射でしゃべったりする。テンポを重視した会話のシーンが多いので、そこを意識した」と高校生役について語り、トト役の梶も「日常会話のテンポ、テンション、リズムが高校生らしい。子どもたちのナチュラルなテンション感を反映させられるようにと意識した」、ドロップ役の村瀬は「2人が10代半ばくらいの感じのお芝居をされているなかで、ドロップはすごく子どもっぽいところもあれば、大人なところもあるという立ち位置。あざといくらいに無邪気にしようとか、ここは大人の面を出そうとか悩みながらやっていた」と役作りを述懐。ヒロインを担当した花澤は「周りよりも大人っぽいところを意識した」という。

劇中でロウマ、トト、ドロップは“ドン・グリーズ”というチームを結成するが、その3人を演じた声優陣は一緒にアフレコができたという。「会話が重なりまくっている。お二方とリズムを合わせて一緒に作っていった」と花江が振り返ると、村瀬は「作れたと思うよ!」と元気に回答。梶は「これだけ濃厚なお芝居の掛け合いをずっと3人でやらせてもらえるというのは、すごく貴重な経験。楽しかった」と喜びを噛み締める。

息を合わせることもスムーズにできたそうで、花江は「そりゃあもう、長い付き合いですから」と梶と村瀬への信頼感を吐露し、村瀬は「テンポがすごくよかったから、そこに追いついていくのが大変で。逆に、花江くんと梶さんは水を得た魚のようだった。引っ張ってもらった」と感謝しきり。梶は「ボケ、ツッコミみたいなコミカルなやり取りが終始ある。トトはツッコミのポジションのようなところがあるので、僕は声を枯らしていました。カスカスしてくるくらいのエネルギッシュな冒険譚でした」と明かしていた。

またいしづか監督の「宇宙よりも遠い場所」にも出演していた花澤は、「やっぱりいしづか監督だなと、よだれが垂れるぐらい“いいな”と思うところがいっぱいあった」とにっこり。いしづか監督は「『宇宙よりも遠い場所』で女の子同士の内面を掘り下げた。南極を舞台にしつつも、彼女たちだけの心の物語、絆を描いた。今度は外側に向けてエネルギーを発散させる物語を考えてみようと思った。そこで男の子のキャラクターを考えた」という。

続けて花澤を起用したのは、「香菜ちゃんがかわいいから」と笑顔をはじけさせたいしづか監督。「真面目な話をすると、ヒロインとしてかわいいけれどもこびない。清楚なかわいさというところで、花澤さんの声がほしいと強く思った」と語ると、花澤は「っしゃー!」と大喜び。またステージでは花江が「公開日が決定しました」と発表するひと幕もあり、「2022年の2月18日、金曜日となります。覚え方は花澤さんの誕生日の一週間前です」と微笑むと、花澤が「覚えられるかー!」とツッコみ、会場の笑いを誘っていた。

取材・文/成田 おり枝