ゲイであることを隠しながら生活する主人公の男子高校生を神尾楓珠が演じる『彼女が好きなものは』(12月3日公開)。“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描いた本作に、俳優の林遣都や大原櫻子、高杉真宙、松本穂香、キム・ボラ監督ら各界の著名人たちより共感コメントが到着した。

浅原ナオトの「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)を原作に、2019年に放送されたドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK)でも大きな反響を呼んだ本作。男性同士の恋愛を描くBL好きであることを秘密にしているクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、ゲイであることを隠している男子高校生の安藤純(神尾)に告白。妻子ある同性の恋人がいる純だったが、“ふつう”の人生を歩めるのではと紗枝の告白を受け入れ、2人は付き合うことになるが…。純を女手一つで育てる母親・安藤みづき役を山口紗弥加、純の恋人の佐々木誠役を今井翼、純のSNSでのみ繋がっている友人Mr.ファーレンハイト役を磯村勇斗が演じるなど個性豊かな豪華キャスト陣が脇を固めている。

そしてこのたび、人と人が分かり合うことの困難と、その先にある希望を描いた本作に各界の著名人らから多くのコメントが到着。お互いの悩みや内面を知って支え合っていく純と紗枝だが、俳優の林遣都は「自分が好きなものを『好き』と言えず秘密を抱えていた純と紗枝が、しだいに『純』と『紗枝』の2人だけの『好き』の形を見つけることに―。なんて優しく美しいラストなんだろうと胸が締め付けられました」と絶賛のコメント。また、女優で歌手の大原櫻子も「全員が違う意見や価値観を持っていながら、“互いを理解し合いたい”と葛藤する人間の生き様が、様々な登場人物の目線で描かれていて、且つ全ての考え方に共感できました」と語り、『はちどり』(20)のキム・ボラ監督は「軽い恋愛映画だと思って観たら、ビックリした。この映画は『正常性』という怪物、その世界に溶け込もうとするもがき、そして人を愛するという壮大なテーマを清々しくも重厚に描いている」とコメント。

“ふつう”という価値観と自分らしさとの狭間で葛藤する純と、その苦悩を知らず純に告白する紗枝。2人の恋愛を通して人として大切なことを描いた本作に、さらなる期待が高まる。

<著名人コメント全文>

●林遣都(俳優)

「自分が好きなものを『好き』と言えず秘密を抱えていた純と紗枝が、しだいに『純』と『紗枝』の2人だけの『好き』の形を見つけることに―。なんて優しく美しいラストなんだろうと胸が締め付けられました。この映画に携わった全ての方々に拍手を送りたいです。素晴らしい映画でした。人が人を傷つけることが容易い世の中で、思いやりに欠けた言動行動の先に何が起こり得るのか、想像力を持って生きなければとつくづく思います。
三浦さんが純に放った『想像したい』という言葉は世界を照らしてくれる気がします。もう一度言わせてください。本当に素晴らしい映画でした」

●大原櫻子(女優・歌手)

「全員が違う意見や価値観を持っていながら、“互いを理解し合いたい”と葛藤する人間の生き様が、様々な登場人物の目線で描かれていて、且つ全ての考え方に共感できました。恋愛の形はさまざまと言うのは簡単です。ただ、場合によって、何かしらの障害が出てくるかもしれない。何を大切にするか、その人それぞれだと思います。『複雑なことを無視して、世界を簡単にしたくない』と思う心を、私も日頃忘れたくないです」

●高杉真宙(俳優)

「ある種、二人の長い長い大冒険の途中のお話。学生という、大きくも小さな世界では、冒険の『途中』とするしかなくて、学生という枠組みから抜け出した瞬間に、それぞれが自分の思いをどうにかする方法を見つけるんじゃないかな?と感じました。
けれど、学生の頃に気付き、知るにはあまりにも…学生とは、無限大だな。と思わされる作品でした」

●松本穂香(女優)

「大切な瞬間が映画の中につまっていました。ひとりひとりの苦しみや真っ直ぐな気持ちが愛しかったです」

●峯岸みなみ(タレント)

「この映画に少しでも救われる心があるようにと願いながら、この映画がなくてもいい未来が来ることを祈りたくなりました」

●少年アヤ(エッセイスト)

「透明なきみの青春を、そっとなでる物語。そこには息をしたいとあがくぼくたちの、
たしかな愛や、人生の姿があるのです」

●松岡宗嗣(ライター/一般社団法人fair代表理事)

「いつも自分にナイフを突き立てながら、いつか自分も『ふつう』になれるんじゃないかと希望を抱いてしまう。『同性愛とか、別にいいんじゃない』という人にこそ観てほしい」

●堀あきこ(ジェンダー・セクシュアリティ研究)

「ジェンダーもセクシュアリティも、これまでの経験もこれからの夢も、何もかも違う私たちは分かりあえない。でも、「分かりあえなさ」を抱えることでしか、“薄っぺらな多様性”は蹴飛ばせない」

●キム・ボラ(映画『はちどり』監督)

「軽い恋愛映画だと思って観たら、ビックリした。この映画は『正常性』という怪物、その世界に溶け込もうとするもがき、そして人を愛するという壮大なテーマを清々しくも重厚に描いている。純と紗枝は『異性愛』という正常性の境界を越え、より豊かな想像力でお互いに触れ合う。映画『彼女が好きなものは』は同性愛者の男の子とBL好きの少女が共に過ごし、誰にも疎外されない世界を描く。映画を観ている間ずっと、この安全で光輝く映画の中の世界が終わらないことを願っていた」

文/富塚沙羅