アイアンマンやキャプテン・アメリカなどアベンジャーズ誕生の遥か昔から地球に存在し、ディヴィアンツと呼ばれる敵から密かに人類を見守ってきた最強ヒーローチームの活躍を描く、マーベル・スタジオ最新作『エターナルズ』(公開中)。本作の公開にあわせ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の大ファンを公言しているタレントのIMALUにインタビューを実施した。

MCU作品はヒーローたちの個性が光る“アクション”や“人間ドラマ”が魅力的だが、同時にヒーローたちの活躍に彩りを与える“音楽”もまた魅力の一つと言えるだろう。オリジナルの劇伴や歌だけでなく、往年の名曲を取り入れるなど、それぞれの作品の個性をより色濃く際立たせている。IMALUから公開直後の『エターナルズ』の感想と共に、MCU作品を彩る音楽の魅力をたっぷりと語ってもらった。

■「『エターナルズ』がきっかけでMCUファンが増えてくれたらうれしい」

『エターナルズ』のメガホンをとったのは、『ノマドランド』(20)でアジア系女性監督として初めてアカデミー賞監督賞を受賞したクロエ・ジャオ。リアルで人間味あふれるドキュメンタリーのような『ノマドランド』に対し、『エターナルズ』は迫力あるアクション・エンタテインメントに仕上がっている。もちろん、『ノマドランド』も鑑賞済みのIMALUは、「同じ監督なの?と目を疑った」とジャオ監督の表現の幅に感嘆した。

また、『エターナルズ』は「MCU初心者にもオススメできる作品」とも話す。目からレーザービームを放つ最強の戦士イカリス(リチャード・マッデン)、物質を変換させる能力を持つセルシ(ジェンマ・チャン)、思い描いた武器を具現化できる女戦士セナ(アンジェリーナ・ジョリー)、怪力を誇るギルガメッシュ(マ・ドンソク)ら本作に登場する10人の戦士は、MCU初登場のキャラクターだ。そんな彼らがアベンジャーズとサノスの戦いのあとに訪れた地球の危機に挑む。そのため本作はMCUシリーズの膨大な作品数を前もって鑑賞せずとも入りやすく、「『エターナルズ』がきっかけでMCUファンが増えてくれたらうれしい」とファンの鏡ともいえる言葉を口にした。一方で初心者だけでなく、「MCUファンがしっかり楽しめる要素ももちろんある」という。

「MCUのキャラクターは強さだけじゃなくて、弱い部分や欠点といった人間味があるのも魅力の一つだと思っています。エターナルズはほかのMCUキャラクターと比較すると神様みたいなレベルの存在だけど、ドラマのなかに、ひとりひとりの葛藤がしっかり描かれている。“MCUのキャラクターっぽさ”をしっかり感じられました。エターナルズの10人のキャラクターたちはみんなとても魅力的でした」


■「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は音楽がもっと好きになる作品」

ストーリーや映像表現など様々な要素で構成されている『エターナルズ』の壮大な世界観。その要素の一つには音楽も欠かせない。それはほかのMCU作品も同様である。そんなMCUのなかでもIMALUが特に音楽の印象が色濃く残っているというのが、「音楽が作品を象徴しているのがこの2作品」と説明する『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)と『ブラックパンサー』(18)だ。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では、主人公のクイルが幼少期に母親からもらったカセットテープに入っている1970〜80年代の名曲が流れる。IMALUのイチオシは、強敵ロナンとの決戦に向けたシーンで流れる「Cherry Bomb」(ザ・ランナウェイズ)、エンディングに向けてチームが宇宙船で旅立っていくシーンで流れる「Ain't No Mountain High Enough」(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル)だ。

ほかにも「I Want You Back」(ジャクソン5)や、続編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17)の「Mr. Blue Sky」(エレクトリック・ライト・オーケストラ)も好きと続けるIMALU。どちらもベビー・グルートのダンスシーンに流れる楽曲だ。「ベビー・グルートが大好きでかわいくて何回観ても飽きません!」と満面の笑み。楽曲たちを口ずさみながら「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は音楽がもっと好きになる作品」と熱く語ってくれた。


■「『ブラックパンサー』は、ケンドリック・ラマーが伝え続けていたメッセージとすごくマッチしていたからコラボレーションが楽しみでした」

『ブラックパンサー』は劇中曲のプロデュースを担当したケンドリック・ラマーのファンだったこともあり、「公開前から個人的に盛り上がっていた」という。アフリカ系アメリカ人のラマーは『ブラックパンサー』以前から自身のホームタウンや人種について作品で表現していたアーティストだ。「映画のなかに、彼の曲がどんな形で入ってくるのかワクワクした」と公開前の気持ちを振り返った。

「アフリカのカルチャーをリスペクトした『ブラックパンサー』は、ラマーが伝え続けていたメッセージとすごくマッチしていたからコラボレーションが楽しみでした。実際に観て聴いてみたら、とにかくオシャレでカッコいい!フィーチャリングで参加しているアーティストにもアフリカ系アメリカ人が多くて、本当にこだわりの詰まった楽曲たちだと思います」

ブラックパンサーことティ・チャラ率いるワカンダ一行が訪れるクラブで流れる「Pray For Me」(ザ・ウィークエンド、ケンドリック・ラマー)やエンドクレジットで流れる本作のテーマ曲「All The Stars」(ケンドリック・ラマー、シザ)など、作品を象徴する楽曲は普段からよく聴く音楽だそう。また、ティ・チャラが妹シュリのラボで話すシーンで流れた、南アフリカ出身のアーティスト、ベイブス・ウドゥモの「Wololo feat. Mampintsha」について、「まだ若いシュリが若い女性アーティストのすごくアゲな曲をラボでかけている設定は、キャラクターの個性をより際立たせている」と絶賛した。


■「『The Avengers』を聴くたびに気合いが入ると同時に、自分もアベンジャーズの一員になった気持ちになります」

MCU音楽の話はまだまだ止まらない。前述した2作品以外にも『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)のメインテーマに起用されたレッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」を歌いながら、楽曲にまつわる小ネタを披露。『スクール・オブ・ロック』(03)の主演、ジャック・ブラックとソー役のクリス・ヘムズワースが、SNS上で楽曲を巡るバトルを繰り広げていたそうだ。

「ツェッペリンは映画にあまり楽曲を使わせてくれないらしく、やっとの思いで『スクール・オブ・ロック』にこの楽曲を起用したのに、『〜バトルロイヤル』でも同じ曲を使いやがって!とジョークを飛ばしていて(笑)。それでさらに映画が盛り上がっているのがおもしろかったです」

そして、「やっぱりMCUでは外せない!」と話すのは、MCUファンなら誰しもが想い入れのある一曲であろう「The Avengers」だ。「この楽曲を聴くたびに気合いが入ると同時に、自分もアベンジャーズの一員になった気持ちになります」と語った。


■「それぞれの作品の色を出すためのすごく大事なポイントが音楽だと思う」

様々なヒーローの物語が、重なり合う世界観で繰り広げられるMCU作品。個々の作品やキャラクターを象徴する音楽が、別のMCU作品で起用されるケースも。「ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』でワカンダの人が登場するシーンでは、『ブラックパンサー』で流れたポポポン!という太鼓の音楽が鳴るんですよ。ワカンダのキャラだ!と一瞬でわかって盛り上がりました(笑)」とIMALU。「それぞれの作品の色を出すためのすごく大事なポイントが音楽だと思う」と語った。音楽から見える作品やキャラクターの色は、まさにMCU音楽の魅力と言えるだろう。

「MCUはすべての作品が地続きで繋がっているからこそ、見れば見るほど発見があって。それは音楽も同じ。あのシーンで流れているあの音楽って実はそういうことか!と一回観ただけでは気づけない魅力がすごくいっぱいあるんですよ。それが楽しくて何回も観返しちゃいます」

最後に、今後のMCUの展開について聞くと「『ブラックパンサー』の続編や『Guardians of the Galaxy Vol. 3』、『Thor:Love and Thunder』、ドラマ『She-Hulk』も楽しみ!」と瞳を輝かせる。さらに、ドラマ「ホークアイ」(11月24日配信予定)と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日公開)は待ちきれない様子。「『スパイダーマン』は期待値がMAXになっていて、12月に公開する本国まで観に行きたいくらい!ネタバレを見たくないので、(日本公開まで)SNSをお休みしようか考え中です(笑)」と期待に胸を弾ませていた。

取材・文/阿部裕華