都内の公共施設や民間施設、映像事業者、地域の人々との協力によって、映画やテレビドラマなどの円滑なロケ撮影を様々な形でサポートすると共に、地域の活性化を図ることを目的に運営されている組織「東京ロケーションボックス」。その活動内容は多岐にわたり、都内自治体に置かれたフィルムコミッションとの連携や協力、サポートも行っている。今回は、TOKYOひのでフィルムコミッションが支援したTBSで放送中の金曜ドラマ「最愛」を紹介したい。

映像作品を通して東京の魅力を国内外に広く発信し、観光振興に努める東京ロケーションボックスでは、その活動の一環として、支援作品やロケ地登録の案内などを掲載した年4回の季刊紙「Tokyo Location Box Press」を発行。各自治体の観光案内窓口やフィルムコミッションをはじめ、映画やテレビの関係者、関連イベントの際にも配布されているチラシで、作品のファンにはたまらない貴重なロケ地情報が満載だ。21号となる11月30日発行の秋号では、今回ピックアップする「最愛」も紹介されている。
■15年前の失踪事件を巡る様々な“愛”が交錯するサスペンスストーリー

10月15日よりスタートし、現在、第8話まで放送されている本作は、吉高由里子がTBS金曜ドラマで初主演を務める完全オリジナルのサスペンスストーリー。ある殺人事件の重要参考人となった実業家の真田梨央と、事件の真相を追う刑事、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に物語が展開していく。

2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が発生。それから15年後、時代を牽引する実業家となった彼女の前に事件の関係者が現れたことで、当時の記憶と共に封印したはずの事件が再び動き始める…。主人公の梨央を吉高が演じるほか、彼女の初恋相手でもある刑事、宮崎大輝役に松下洸平。梨央の会社の法務部に所属する弁護士、加瀬賢一郎役で井浦新が出演。現在と過去がカットバックしながら、事件にまつわる新たな真実が次第に明らかになっていくスリリングな展開や、正義感が強くひたむきな刑事と清濁併せ吞む弁護士という正反対の2人が、それぞれの立場で1人の女性と向き合う姿も見どころになっている。

■羽生山林でのロケを支援したTOKYOひのでフィルムコミッション

今回、TOKYOひのでフィルムコミッションがサポートしたのは、第1話に登場する「羽生山林」でのロケ。15年前、梨央の父親が寮夫を務める大学の陸上部寮に、友人を訪ねてやって来た大学院生の青年、渡辺康介(朝井大智)が行方不明に。その渡辺を村人や消防団が捜索するシーンとして、「羽生山林」でロケ撮影が行われた。失踪前、梨央は渡辺と接触しており、この時なにが起こったのか、梨央がどのように関わっているのか、といったことが物語の大きな軸になっている。

撮影を支援したのは、2021年10月1日に設立されたばかりの日の出町観光協会が運営する「TOKYOひのでフィルムコミッション」。東京都西多摩郡日の出町に立地し、現在は羽生山林と直営山林の2つの山林を管理している。新宿から約1時間という手軽さで山林シーンが撮れるのが魅力で、制作会社に対して地元の業者にロケ弁当の注文をしてもらえるように働きかけるなど、地域経済の活性化にも積極的。近隣の自治体との連携、住民とも協力しながら、町内のロケ候補地を少しずつ広げている。

■都内にいながら深い山奥が撮れる立地のよさ

広葉樹系の雑木林、真っ直ぐな杉林、竹林&山道ゾーンがあり、急な斜面が多い直営山林に対し、羽生山林は比較的フラットな鬱蒼とした杉林が広がっている。隣接している公道から100メートルほど森林に足を踏み入れるだけで、まるで深い山奥に入り込んでしまったような感覚に。ここは、これまでにも数多くのドラマやCMなどで使用されており、本作でも複数回にわたっての撮影が予定されているそうだ。

クライマックスに向けてますます物語が加速していく「最愛」。15年前の失踪事件を発端とする一連の出来事の真実とは。そして、梨央たち登場人物に訪れる結末はどうなるのか。ドラマの行方を見守りながら、作品にとって重要な場所として登場する羽生山林をはじめロケ地にも注目してみてほしい。

文/サンクレイオ翼