ビートたけしの自叙伝を原作に、彼を敬愛する劇団ひとりが監督・脚本を務め映画化した『浅草キッド』(12月9日よりNetflix全世界独占配信)の配信記念イベントが12月7日に東洋館 浅草フランス座演芸場で開催され、大泉洋、柳楽優弥、門脇麦、土屋伸之(ナイツ)、鈴木保奈美、劇団ひとり監督が登壇。長年温め続けた企画がかなった劇団ひとり監督が「理想の『浅草キッド』ができた」と感無量の面持ちを見せた。また最後には全員で“コマネチポーズ”を決めるなど、笑いに満ちたイベントとなった。

本作は、ビートたけしの若き日の成長と葛藤を描く青春ドラマ。大学を中退したタケシ(柳楽)が、“幻の浅草芸人”と呼ばれる深見千三郎(大泉)に弟子入り。彼の元で頭角を現しながらも、自らの笑いの実力を確かめたいと思い始めたタケシが漫才の道へと邁進していく姿をつづる。この日のMCは、本作で俳優デビューした土屋とコンビを組むナイツの塙宣之と、小熊美香が務めた。

劇団ひとり監督は「何年も温めていた企画で、ずいぶん前に撮り終わって、完成もしていて、まだまだ配信は先かなと思っていたら、もう明後日(が配信スタート)。まだ実感が湧かないですが、それをこの東洋館で報告できるというのは感慨深い」と本作の聖地に立って感激しきりだった。

ステージでは大泉と劇団ひとり監督が丁々発止のやり取りを繰り広げ、会場を盛り上げた。劇中で大泉と柳楽はタップダンスにも挑戦しており、柳楽は「違う現場でもタップをやっちゃいます。あれをやると暖かくなる」とすっかりハマっている様子。

劇団ひとり監督は「脚本を描くうえで、自分も(タップの)スクールにしばらく通った。どれくらい難しいかわからないと、『これやってください』と平気で言っちゃうでしょ」と告白したが、これに大泉は「『もう少し難しいステップできませんかね?』とか平気で言っていた。散々練習してきて、あと2週間後に本番だという時に『今日、このシーン撮ろうかと思っている』と言われたり。できるわけないだろう、バカヤロウ!と思った」と劇団ひとり監督に猛抗議。すると劇団ひとり監督は、タップの練習に励んだ柳楽、歌唱にも挑んだ門脇の努力を称えながら「柳楽さんや門脇さんは努力を見せない。大泉さんは自分が練習していることをすごい言ってくる。全員のところに行って『今日は練習です』とアピールをしてくる」と反撃するなど、2人のやり取りに周囲も大爆笑だった。

最後に大泉は「褒めるのは悔しくて仕方ない」と切りだし、「劇団ひとりの才能があふれ倒している作品。我々役者陣、本当に胸を張って“こんなにすばらしい作品はない”と思える作品。劇団ひとりはダメな男ですけれど、この作品はすばらしい。劇団ひとりを嫌っても、『浅草キッド』は嫌わないでください!」と熱くアピール。劇団ひとり監督は「(原作は)中学生のころからのバイブル。何十年も頭のなかで想像していた。頭のなかで想像していた『浅草キッド』の世界観よりすてきでキラキラした作品になった。演者さんに恵まれた」と喜びをかみ締めていた。

取材・文/成田おり枝