2018年3月から「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった芥見下々の「呪術廻戦」。2020年10月から2021年3月まで放送されたテレビアニメは、MBS/TBSの深夜アニメ枠で歴代1位の視聴率を獲得するなど、作品の人気と注目度を一気に高めた。そして、いよいよ満を持して、初の映画化となる『劇場版 呪術廻戦 0』が本日より公開され、IMAXでの上映も同時にスタートした。本コラムでは、『劇場版 呪術廻戦 0』の見どころと、IMAXで観る際にぜひ注目したい期待のシーンを紹介していく。

IMAXシアターの最大の特徴は、床から天井、左右の壁から壁まで広がり、ゆるやかに弧を描いた巨大スクリーン。シアター空間全体を独自に設計することで、視野全面を覆うフルパノラマビューを実現し、まるで映画のなかにいるような臨場感で観客を包み込んでくれる。

また、IMAXが特許を持つ独自の映像処理技術、DMR(デジタル・メディア・リマスタリング)技術により、IMAXシアターで上映される作品は、音響、明度、コントラストなど、細部に至るまで高い精度で調整。IMAX仕様にリマスタリングすることで、監督が意図した映像を最大限のクオリティで表現し、最高にシャープで生き生きとしたビジュアルを楽しむことができる。テレビアニメ放送時から圧巻の映像クオリティが話題を集めた「呪術廻戦」をスクリーンで観るうえで、これほどふさわしいシアターはほかにないだろう。

■テレビアニメの1年前を描く、「呪術廻戦」の前日譚

呪術を駆使して、呪いを祓う、呪術師を育成するための対呪い専門機関、“呪術高専”を舞台に、自らの信念と命を懸けて壮絶な戦いに挑む若者たちの姿を描く「呪術廻戦」。今回の劇場版は、本編の連載前に芥見下々が短期集中連載として描き下ろした「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」の映画化となる。テレビアニメシリーズの主人公、虎杖悠二が呪術高専に編入する1年前を描いた、本編につながる前日譚だ。

交通事故で死んだ後、怨霊と化した幼なじみの祈本里香にとり憑かれ、6年間も苦しんでいた高校生、乙骨憂太。最強の呪術師である五条 悟に導かれて、東京都立呪術高等専門学校(呪術高専)に編入した彼は、担当教師でもある五条や、同級生の禪院真希、狗巻 棘、パンダとの交流から多くのことを学んでいく。しかし、そんな彼らの前に、最悪の呪詛師と呼ばれる夏油 傑が現れる。

■劇場版で初めて“動く”乙骨に、大迫力の特級過呪怨霊

劇場版でまず注目を集めるのは、主人公の乙骨憂太。テレビアニメで虎杖の同級生である伏黒恵に「唯一、手放しで尊敬できる先輩」と言わしめた乙骨は、海外に行っているため、登場人物たちの口からその名を聞くたびに想像するしかなかった人物。その彼がしゃべり、動く姿を観ることができるのは、今回の劇場版が初となる。

予告編にもあった、乙骨と真希の真剣なやりとりは、見どころの一つ。真希が乙骨の胸倉をつかみ、「乙骨オマエ マジで何しに来たんだ…呪術高専によ!!!」と感情を爆発させたあと、乙骨は「僕は…誰かと関わりたい。誰かに必要とされて、生きてていいって、自信がほしいんだ」と初めて本当の気持ちを打ち明ける。

それまでずっと怨霊と化した里香と一緒に生き、周囲にはいじめられ、自死を望むほどだった乙骨が、呪術高専で仲間と出会い、少しずつ生きることに前向きになっていく。すべてに自信がなかった彼がどのような成長を遂げていくのかが本作最大のポイント。乙骨が「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」と決意を固める瞬間は必見だ。

幼少の頃、乙骨と結婚の約束を交わした里香が、特級過呪怨霊となって顕現するシーンのインパクトにも注目。五条をも驚かせる里香の、なにもかもを凌駕するような呪力のエネルギーと重量感は、ぜひともIMAXの大スクリーンで体感してほしい。

■新宿と京都で巻き起こる、呪術師VS呪詛師の大バトル!

そして、乙骨と仲間たちの前に立ちはだかるのが、「来たる12月24日 日没と同時に 我々は百鬼夜行を行う」と宣言する呪詛師、夏油。非術師である一般人を殲滅し、呪術師だけの楽園を築こうとする彼は、12月24日に新宿と京都それぞれに1000体の呪霊を放ち、一般人の大量虐殺を決行する。この“百鬼夜行”こそ、まさにIMAXで本領を発揮するアクションシーンの宝庫だ。

“呪霊操術”を駆使する特級呪詛師の夏油と、彼が家族と呼ぶ美々子、菜々子、ミゲルなど夏油一派VS呪術高専関係者や、OBとOG、御三家、アイヌの呪術連など呪術師たちが一丸となって戦い合う総力戦。呪いの坩堝、新宿では五条とミゲルが激しいバトルを展開する。

強大な呪力がこもった縄を使用して戦うミゲルに対し、五条が目元の包帯をずらして片目を見せ、五条家相伝の術式“無下限呪術”を発動させるシーンは絶対に見逃せない。テレビアニメでもファンを歓喜させた五条の素顔が見られるのは実に久しぶり。彼を最強たらしめるその目力を、スクリーンでしかと感じたい。

一方、乙骨と真希、2人を助けにやってきた狗巻とパンダが、夏油を相手に死闘を繰り広げる。それぞれにすぐれた力を持つとはいえ、まだ1年生の4人が大切な仲間を守るため、夏油に捨て身で立ち向かっていく姿は感涙必至。呪具の刀を手に、怒りの感情がピークに達した乙骨は、目をむき、「来い!里香!!」と叫んで、里香を召喚。乙骨の後ろに怨霊の里香が完全顕現するシーンの迫力は圧倒的だ。

■MAPPAが生みだす、ハイクオリティな映像世界に没入!

テレビアニメと劇場版を共に手掛けたのは、気鋭の制作スタジオ、MAPPA。そして同じくアニメシリーズに続き劇場版の監督を務めたのは、もともと凄腕のアクション・アニメーターとして活躍していた朴 性厚だ。テレビアニメでは、メラメラと呪力をまとう拳や武器、呪術を駆使して戦うダイナミックなアクション、呪術戦の極致である“領域展開”など、「呪術廻戦」特有の世界観を、原作ファンの期待を上回るハイクオリティの映像で見事に再現。原作の魅力と共に、見応えのある映像がヒットの要因となった。

観る者をクギづけにする白熱のアクションシーンを得意とする朴監督は、かっこいい音楽を映像に乗せる手腕にも定評がある。特にテレビアニメ最終回で、虎杖が仲間との抜群の連携プレーで技を決めるまでの演出と音楽は鳥肌ものだった。特許登録されたスピーカーや独自設計のサウンドシステムなど、高精度な音響に徹底的にこだわり、耳で聴くというより全身で感じるようなサウンドを実現するIMAXなら、音楽と映像が融合したシーンをさらに臨場感たっぷりに堪能できるはずだ。

最高峰の没入型映画体験を提供する特別なシアター、IMAXでの鑑賞で、驚きの映像表現と感動に満ちた「呪術廻戦」の世界を心ゆくまで深く味わってみてほしい。

文/石塚圭子