アメリカ国内の新型コロナウイルスをめぐる情勢はますます悪化の一途をたどっているものの、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(日本公開中)の勢いはさらに加速していく。先週末(1月7日から9日)の北米興収ランキングでは、公開4週目の週末興収としては歴代6位となる興収3261万ドルを記録。またしても2位に大きな差をつけてV4を達成した。

前回の記事でも触れた通り、すでに北米歴代興収ランキングでベストテンに入り、徐々にその順位を押し上げている『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』。9日の日曜日の時点で北米累計興収は6億6800万ドルに到達し、『タイタニック』(97)を上回り歴代6位へとランクアップ。現在第5位の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)の6億7800万ドルを超えることは確実となった。また全世界興収では現在15億3800万ドルとなっており、こちらのランキングでも歴代8位に浮上している。

先週末にはついに日本でも公開を迎え、連休の4日間で観客動員111万5937人、興行収入16億9168万円を記録する圧倒的なスタートダッシュを飾っている。話題作ではすっかりおなじみになった深夜0時からの最速上映も各地で完売続出の大盛況となり、その熱気は連休明けの平日でも冷める様子はない。現時点で日本国内におけるMCU作品の最高興収は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)の61.3億円。同作や、興収75億円を記録したサム・ライミ版の第1作にどこまで迫れるのか楽しみだ。

ふたたび北米興収に話を戻すと、3位にはジェシカ・チャスティンやペネロペ・クルスら国際色豊かな5人の女優が共演するスパイアクション『355』(2月4日日本公開)が初登場。メガホンをとったのは「X-MEN」シリーズなどのプロデューサーとして知られるサイモン・キンバーグ。4位の『キングスマン:ファースト・エージェント』(日本公開中)と同じく、娯楽色の強いアクション映画は完全に『スパイダーマンNWH』を前に手も足も出せない状況となっているようだ。

また3週連続で2位を死守している『SING/シング:ネクストステージ』(3月18日日本公開)は、興収1億ドルの大台を突破。興収ランキングで一度も1位を獲れないまま1億ドルを突破した作品は過去にも多数あるが、このコロナ禍では本作が初めて。そうした作品は基本的に“ロングランを記録”するか“相手が悪すぎた”かの両極であり、本作の場合は言うまでもなく後者。ちなみにその「一度も1位を獲れなかった作品」の歴代No. 1が、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)と対峙し、最終興収2億7000万ドルに達した前作『SING/シング』(16)というのも奇妙な偶然である。

文/久保田 和馬