いま人気急上昇中のAV女優、MINAMOが愛する映画や本、音楽、さらには自身の様々なことを語る連載がMOVIE WALKER PRESSにてスタート!第1回は一番好きな映画について語っていただきます。

■時代の空気感を感じ取りながら観てほしい『愛と青春の旅だち』

初めましての方もそうでない方もこんにちは。映画、音楽、本、そしてエロを愛するAV女優のMINAMOです。

連載第1回は私の一番好きな映画をまずご紹介しようと思い考えたのですが、これが苦労しました。好きな映画っていくつ歳を重ねてもやっぱりいいなと言える作品だと思うんです。数多ある中からギューギュー絞り出しました。私の場合、それは『愛と青春の旅だち』です。1982年の映画でテイストは確かに古いですが、昔の映画が苦手だという方にもぜひ観ていただきたいのです。

主人公メイヨ(リチャード・ギア)は、13歳の時に母親が自殺し、ろくでもない父親の元へ。しかし、そこはフィリピンの娼婦宿でした。暗く冷たい生活にメイヨも引きずり込まれていきます。しかし子供の頃からパイロットになるのを夢見ていた彼は、ある時自分の人生を変えようと、海軍士官養成学校へ入ります。ところがそう上手くはいきません。

メイヨは士官学校での厳しく苦しい時を過ごします。地元の町工場の娘との出会いや、訓練に挑む仲間との友情、大切な親友との死別。社会的格差や男女差別を背景に息苦しい時代を生き抜く男女。このように今も変わらず、どこにでもあるテーマが描かれています。この時代の空気感を感じ取りながら観てほしいと思います。

自由な生き方が難しい町から抜け出せず、様々な問題を抱え、いくあてのない者たちがそれでも地に這いつくばって覚悟を持って生きている様に心が震えます。壮絶な物語の合間に流れる温かい光のようなカントリーミュージックがとても良い。この作品の主題歌であるジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズが歌った「Up Where We Belong」が作中のここぞという時に流れ、鼻の奥がツンとします。愛を渇望しながらも愛を拒否してしまうメイヨーの育ちの悲しさ。しかし、だんだんと愛に正直になっていく姿はこの映画の一番の見どころです。

■映画や音楽、本やエロは恩人であり恩師
さて、私がなぜ映画や音楽、本が好きなのかよく聞かれますが、それは私が物心ついた頃にまでさかのぼります。

私は何もない女の子でした。自分で言うのも悲しいけれど、勉強も運動も特別できるわけでは無いし何かに特化した人間ではありませんでした。自己肯定感も低けりゃ生きてる実感も無かった。今思うと普通だった自分がとても不幸だと思っていました。学生の頃まで、私は本当に可愛げが無く、人生何のために生きてるのかも分からないし、なんならこの世はクソくらえとまで思っておりました。世に言う厨二病というものを長く患っていたのかしら。

そんなミイラのような私が不幸から脱出できたのは素晴らしさに身震いするほどの映画に、音楽に本にエロに出会ったから。私の中の死んでいたものが生き返るような感覚を味わったのです。私は新しく自分の好きなものに出会えたことで、やりきれない日々を乗り越えられました。だから映画や音楽、本やエロは私の恩人であり恩師なのです。「好きです」の一言では言えないくらいの愛があるのです。

ここまで幼稚で拙い文章をお読みいただきありがとうございます。難しいことは書けないし、カッコなんかつけずにこれは読んでくださる誰かへのラブレターだと、誰かを想って続けていきたいと思います。

さて、まだまだヒートテックを手放せないなぁと思っているそこのあなた、広瀬香美さんの「ゲレンデがとけるほど恋したい」を聴きながら自分にとって小さな幸せを見つけながら寒い日も楽しく過ごしてみるのはいかででしょうか。いや、そこ「Up Where We Belong」ちゃうんかい!

それではまた会いましょう。