日本を代表するキャラクター“ウルトラマン”を、企画・脚本を庵野秀明、監督を樋口真嗣が務めて描く『シン・ウルトラマン』(5月13日公開)の完成報告会が5月2日にセルリアンタワー東急ホテルで開催され、斎藤工、長澤まさみ、西島秀俊、樋口監督が出席。完成作を観たばかりだというキャスト陣が、興奮気味に感想を語った。

自身もウルトラマンシリーズのファンであることを公言する庵野と、数々の傑作を庵野と共に送りだしてきた樋口がタッグを組んだ本作。「ウルトラマン」の企画、発想の原点に立ち返りながら、 現代日本を舞台に未だ誰も見たことのない“ウルトラマン”が初めて降着した世界を描く。

約3年前に撮影されたそうで、ウルトラマンになる男、神永新二を演じる斎藤は「仕上げに関わった多くの方たちに敬意を表したいです。今日を迎えられてとても幸せです」と挨拶。ウルトラマンを演じた心境を聞かれると、「僕個人ではとても背負えないような、歴史ある、ある意味バトンをつなぐようなキャラクター。先輩方と一緒に、共演者の皆さんと一緒に(向き合った)。神永一人では背負えないというか(苦笑)。皆さんのお力添えをいただきながら、向き合ったつもりです」とあらゆる重責を感じながら、ウルトラマンを演じきったという。

神永の相棒となる浅見弘子役を長澤が、神永や浅見の所属する防災庁の禍威獣(カイジュウ)特設対策室専従班、通称「禍特対(カトクタイ)」の班長である田村君男役を西島が演じた。斎藤は「お二人がこの作品にご一緒していただけるということで、このプロジェクトは映画的な正しさを持った場所に行けるんだなと思った。心強さしかなかった」と長澤と西島への絶大な信頼感を吐露。長澤は「斎藤さんは穏やかな方で、いつも静かにみんなを見守ってくださっている。大人っぽくて、色っぽくて、本当にウルトラマンのような存在。一緒の場にいるだけで、こちらも穏やかな気持ちになって、集中できる」と斎藤の印象を明かす。

すると西島も「斎藤さんはいまこうしている姿と現場や控室の姿、普段会っている姿も、まったく変わらないんです。自分独自の視点を持っていて、長澤さんが言ったようにウルトラマンそのものみたいな感じ。自分の視点を持ってきちっとその場にいて、全体を見ている。安心感がある」と斎藤とウルトラマンがぴたりと重なったという。樋口監督は「夢が現実になった。お願いしたいと思っていた人たちが、みんな『やりましょう』と言っていただけた」と念願のキャストが揃ったと感激していた。

完成作を観てきたばかりだというキャスト陣。斎藤は「自分の少年性や、スクリーンからもらった映画の夢。そういったものを全身全霊で浴びた直後」、長澤も「びっくりしたというのが、観終えた時の感想です。『禍特対』のチームワークや一人一人の感情が生き生きと描かれていて、ウルトラマンと寄り添い合っていて、人間ドラマとしても感動した。いまも高揚感、ふつふつと燃え上がる感情が残っている。もう一回観に行かなきゃという気分になっている。そんなふうに感じた映画は初めて」と興奮しきり。「僕の想像を遥かに超えたすごい傑作が生まれた」と話した西島は、「圧倒された。自分が子どものころに見ていたウルトラマンがあって、作っていた方たちの高い志を継承して、いまの『シン・ウルトラマン』というすごいものができあがった」と驚きを明かしていた。

5月13日よりいよいよ公開となるが、斎藤は「いま公開されることに必然を感じた」と力強く語る。「円谷プロさんの、円谷英二さんの『見る人を驚かせたい』というメッセージがあって。その驚きを糧に平和や愛を願う優しさ、未来への希望を育んでほしいという『ウルトラマン』に込めた想いがある。昨年でも来年でもなく、(映画公開が)いまこのタイミングだったのかなと思います。皆さんが徹頭徹尾こだわり抜くのに必要な時間がいみじくもコロナ禍だった。そのすべてが必然と言ってもいい巡り合わせだったんじゃないかなと感じました」と熱くコメントし。「関われたことは、心から誇らしいなと思います」としみじみ。樋口監督は「粘り強く作ることができた」と胸を張り、スタッフやキャスト陣に「感謝しかない」と心を込めていた。

取材・文/成田おり枝