ギレルモ・デル・トロ監督が、第90回アカデミー賞で4部門を制した『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)に続いてサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ『ナイトメア・アリー』。本作がディズニープラスのコンテンツブランド「スター」にて5月11日(水)16時より見放題独占配信されることが決定した。

過去に『悪魔の往く町』(47)の題で映画化されたこともあるウィリアム・リンゼイ・グレシャムの小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を映画化した本作は、デル・トロ監督が得意とする妖しく悪夢的な世界観のなかで繰り広げられるサスペンス・スリラー。ブラッドリー・クーパーをはじめ、ケイト・ブランシェットやルーニー・マーラらアカデミー賞受賞経験俳優やノミネート常連俳優らが集結し、第94回アカデミー賞では作品賞他4部門にノミネートされた。

舞台は大恐慌時代のアメリカ。成功への野心あふれるスタントン・カーライルは、たどり着いた妖しげなカーニバル(移動遊園地)で読心術の達人から技を伝授される。そして電流ショーで人気を博していたモリー・ケイヒルを連れて都会に進出。それから2年の月日が流れ、ショービジネス界の成功者になったスタントンの前に、謎めいた心理学博士リリス・リッターが現れる。その出会いをきっかけに彼の運命は大きく変化し、想像もつかない闇へと引きずり込まれていくことに。

オスカー受賞後最初の監督作として、これまでに手掛けてこなかったジャンルに挑んだデル・トロ監督。「この映画は真実、嘘、大衆迎合や詐欺、何かにすがりつきたい人々を描いています。一つの不安の時代のかたちなのです。少なくとも我々が感じた、いまの時代の不安が反映されている。それは常に悪夢(ナイトメア)だ」と、現代にも通じるメッセージが込められていることを明かしている。

“伝説のノワール小説”と謳われる原作の空気感を忠実に守りつつ、怪奇映画の先駆的存在であるトッド・ブラウニング監督作品へのオマージュを捧げる前半のわい雑なカーニバル部分と、スタイリッシュで豪奢な空間のなかで展開する後半部分。その両極が融合することで生まれる悪夢のような世界観と徹底的にこだわり抜かれたディテールに、自然と引き込まれてしまうことだろう。何度も繰り返し鑑賞し、スタントンさながら“悪夢小路”に彷徨い込んでみるのも一興だ。

ディズニープラス「スター」での配信開始と同日にはデジタル配信(購入)が、5月25日(水)からはデジタル配信(レンタル)もスタート。さらに6月22日(水)にはBlu-ray+DVDセットも発売される。Blu-rayとデジタル配信(購入)では、デル・トロ監督の作風や美術、衣装の観点から本作の舞台裏に触れることができるボーナス・コンテンツも収録。

劇場で観た人も観逃してしまったという人も、この機会に鬼才の放つ唯一無二の現代ノワールを隅々まで味わい尽くしてみてはいかがだろうか。


文/久保田 和馬