2022年最初のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品となる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(日本公開中)がついに北米公開。先週末(5月6日から8日)の北米興収ランキングでは、大方の予測通り圧勝で初登場Vを飾る結果となった。

『ドクター・ストレンジMoM』が記録した初日から3日間の興行収入は、4534館で1億8742万ドル。昨年末に記録的な興行成績を叩きだした『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)の2億6013万ドルには及ばないものの、歴代のMCU作品では『ノー・ウェイ・ホーム』や「アベンジャーズ」シリーズ4作、『ブラックパンサー』(18)に次ぐ第7位。それ以外のすべての映画を含めても北米歴代11位で、2022年公開作では堂々No. 1の大ヒットスタートを飾ることに。

前作の『ドクター・ストレンジ』(16)のオープニング興収は8505万ドルで、最終興収は2億3264万ドル。すでにオープニング時点でダブルスコア以上の興収を記録していることになり、公開5日目の火曜日の段階で累計2億1364万ドルに到達し2週目末を待たずして前作超えを達成することは確実に。興行面では大差をつける一方、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は前作の89%から74%にダウン。それでも観客からの好意的評価は前作の85%よりも高い87%と上々。

北米より一足先に公開された日本でも、初日から5日間で観客動員78万人・興行収入12億円の大ヒット。海外興収はすでに2億9420万ドルに到達し、全世界興収は5億ドルを突破。“マルチバース”の始動とともにMCUの勢いがさらに加速していくことを予感させる滑りだしといえよう。

2位以下では、前週までV2を飾っていた『バッドガイズ』(2022年日本公開)をはじめほとんどの作品が1ランクずつ順位を下げる結果に。いずれも上映館数を大きく減らし、興収のダウン率も大きめ。2位の『バッドガイズ』でも3日間の興収は957万ドルと、まさに『ドクター・ストレンジMoM』の一強ムード。

そんななか、上映館数を増やして前週の18位から12位にジャンプアップしたのは昨年亡くなったロジャー・ミッシェル監督の遺作で、ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンの名優2人が共演したユーモラスな実話劇『ゴヤの名画と優しい泥棒』(日本公開中)。『ドクター・ストレンジMoM』との客層の違いが大きく奏功したようだ。

文/久保田 和馬