国内外で累計発行部数50万部を突破した一条岬の同名小説を、道枝駿佑(なにわ男子)と福本莉子のダブル主演で映画化した“セカコイ”こと『今夜、世界からこの恋が消えても』(7月29日公開)。このたび本作の主題歌にヨルシカの書き下ろし楽曲「左右盲」が決定し、同楽曲が使用された最新予告映像が解禁された。

恋愛映画の名手、三木孝浩監督がメガホンをとり、『君の膵臓をたべたい』(17)で監督を務めた月川翔と『明け方の若者たち』(21)の松本花奈が共同で脚本を務めた本作。眠りにつくと記憶を失ってしまう“前向性健忘”を患ったヒロインの日野真織(福本)と、彼女を献身的に支えるも自らも大きな秘密を隠し持つ主人公の神谷透(道枝)の儚くもせつない愛の物語が描かれていく。

ボーカロイドクリエイターのn-buna(ナブナ)と、シンガーのsuis(スイ)によって結成された2人組バンドのヨルシカは、今回が実写映画の主題歌初挑戦。書き下ろされた新曲「左右盲」についてn-bunaは「相手の顔や仕草を少しずつ忘れていくことを左右盲になぞらえて書いた楽曲です。オスカーワイルドの幸福な王子を歌詞のモチーフにしています」と、本作の世界観を独自の解釈でとらえ、かたちにしたことを明かしている。

主題歌をひと足早く聴いた道枝は「映画の世界観にぴったりな、すごくいい曲だなと思いました」と語り、福本も「最後の歌詞が、この物語と同様に切ないところがすごくいいなあと思いました。ヨルシカさんに歌っていただけてうれしいです!」と喜びをあらわに。このたび解禁された予告映像は、そんな2人が演じる透と真織のまぶしい瞬間が楽曲と重なりあい、涙なしでは見られない仕上がりに。本作への期待はますます高まるばかりだ。

<コメント>

●n-buna(ヨルシカ)

「相手の顔や仕草を少しずつ忘れていくことを左右盲になぞらえて書いた楽曲です。オスカーワイルドの幸福な王子を歌詞のモチーフにしています。映画版とリリース版で楽曲のアレンジが少し変わっています。映画版では世界観に合うよう映画音楽を統括されている亀田誠治さんと相談しながら、冒頭の生活音的なサンプリングを減らして優しくアコギを聞かせる編成にしたり、最後のサビに男女でのコーラスを入れたり。よりエンディングに寄り添った、少しドラマチックなアレンジになっています。そのちょっとした違いも映画のなかで楽しんでもらえたら幸いです」

●亀田誠治(音楽)

「時に素晴らしい小説は、読んでいるうちにあたかも自分がその小説のなかにいるような感覚になることがあります。ある時から僕も、自分自身がこの『セカコイ』の物語の登場人物のような気持ちになっていました。いい歳こいたオッサンが40年前の学生時代にタイムスリップして、真織や透や泉の三人の輪の中にいるような…そんな奇妙な既視感です。

この映画『セカコイ』には“人が人の幸せを願い、祈る気持ち”が通奏低音のように流れています。ですから音楽は、劇中のサウンドトラックから主題歌まで一筆書きで淀みなく設計する必要がありました。J-POPの地平線をくまなく見渡したところ、この『セカコイ』の物語性を表現できるのはヨルシカの世界観しか考えられず、ヨルシカと僕は音の往復書簡のようにやりとりを重ね『左右盲』という尊い楽曲が生まれました。映画『セカコイ』の物語に寄り添い、この時間軸でしか存在しない尊い音楽が、登場人物の心と、映画館で映画を見る人の心をつなぎます」

●一条岬(原作者)

「分かつことのできない優しさと悲しさ。その陰影すらも表現された素晴らしい曲だと思います。自分にとってヨルシカさんは、安易に好きと言えないくらいに好きなアーティストでした。繊細で、切れ味に優れ、抜群の世界観がある楽曲の虜になっていたからです。『左右盲』を初めて聴いた時の衝撃は忘れません。原作で目指していた、光のような、悲しみのような優しさが体に流れ込んできました。喜劇でも悲劇でもなく、優しいだけでも悲しいだけでもない。そんな映画の余韻を彩ってくださる素晴らしい曲だと感じています」

文/久保田 和馬