Netflixシリーズ「ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え」(Netflixで配信中)にも出演するチョン・ジョンソと、「私の解放日誌」や『犯罪都市2』などで注目を集める人気俳優、ソン・ソックの共演でも話題の『恋愛の抜けたロマンス』(公開中)、さらには7月23日よりMnetにて配信中のドラマ「酒飲みな都会の女たち」など、いま大人の女性から共感を集める韓国コンテンツが続々と登場している。アラサー女性が岐路に迷いながらも恋に仕事に邁進し、失敗を繰り返し立ち上がる姿は、思わずお酒をたしなみながら観たくなる…今回はそんな作品に着目して、紹介していきたい。

■デートアプリで出会った2人は、本当の恋に落ちるのか?『恋愛の抜けたロマンス』
7月8日に日本公開となった映画『恋愛の抜けたロマンス』は、仕事も恋愛も思い通りにいかない男女がデートアプリで相手を探し、名前、目的、本音を隠して始める彼らだけの特別なロマンスを描いている。

本作は韓国インディーズ映画界を牽引してきたチョン・ガヨン監督の商業デビュー作で、韓国公開3週目にして初の週末Boxoffice1位を獲得。今年5月に行われた第58回百想芸術大賞では4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。女性監督ならではの視点で、公私ともに冴えない日々を送る男女に起きた、さりげなくも運命的な出会いを映しだす。

元カレと別れたことを機に恋愛からの引退を決意したものの、寂しさには勝てずデートアプリで手頃な相手を探す29歳のジャヨン役は、映画『バーニング 劇場版』(18)や『ザ・コール』(20)で第57回百想芸術大賞最優秀主演女優賞を受賞し、本作がラブコメ初挑戦となったチョン・ジョンソ。

一方で、編集長から恋愛コラムを任され、半強制的にデートアプリに加入させられ相手を探す33歳の編集者ウリ役は、Netflixドラマ「D.P.−脱走兵追跡官−」や「私の解放日誌」、さらには韓国で観客動員数1000万人超えとなったマ・ドンソクとの共演映画『犯罪都市2』などのソン・ソック。

たくさんの男女がアプリに登録しているなかで、「なぜ俺を選んだ?」とウリが聞くと、あっけらかんと「性病がなさそうだから」と即答するジャヨンなど、思わず笑いを誘う場面も多々ある。孤独を埋めたいだけのはずだったジャヨンと、コラムのネタ探しをするだけだったはずのウリ。ドライな関係を深めていくのかと思いきや、次第に想い合っていく様子も微笑ましい。SNSで出会いを探すことが当たり前となったいま、初対面同士の思いがどのように交わり、深まっていくのかも見どころだ。

■アラサー女子のリアルがここに!共感しかない「酒飲みな都会の女たち」

7月23日から日本でも放送中のドラマ「酒飲みな都会の女たち」は“1日の終わりにお酒を飲むことが生きがい”という女性3人の日常のなかで起こるリアルな生活を描いている。すでに7月3日に1話だけ先行放送され、SNSでは「おもしろい」「続きが観たい」といった期待の声も。

タイトル通り、豪快に酒を飲み、四六時中酒のことばかり考えている女性が3人登場する。“ご飯の代わりにマッコリを飲むほど酒飲み”だという、いつも騒がしく強がりなバラエティ作家のアン・ソヒ役は、「悪霊狩猟団:カウンターズ」や、韓国初登場No.1ヒットを記録した映画『ミッション:ポッシブル』(21)などのイ・ソンビン。

続いて“3人の中で一番お酒に強い”という、ちょっと変わり者ながら愛されキャラクターのハイテンションなヨガ講師ハン・ジヨン役に「コンビニのセッピョル」などのハン・ソナ。そして“お酒を飲むと犬小屋で寝る酒癖を持つ”という、タフで男気あふれる折り紙YouTuberのカン・ジグ役に、K-POPを代表するガールズグループApinkのメンバーでもあるチョン・ウンジ。

30歳前後になると、それなりに社会人経験も積み、ほどほどに自由になる時間やお金もあり、まわりは少しずつ結婚して落ち着く友人も出てくる。恋愛や仕事、人間関係や家族のことなど様々な悩みに直面する3人の女性が、スカッと気持ちよく酒を飲み、くだを巻きながらも前進していく様子はなんとも痛快。とくに女性なら「こういうの、あるある!」と思わず共感してしまうような現実的なストーリーも見どころだ。

さらに、アン・ソヒの“酒が飲めない”上司役としてSUPER JUNIORのシウォンが「彼女はキレイだった」に並ぶ斬新なキャラクターでコミカルな演技を披露するほか、特別出演として、キム・ジソクやユン・シユン、イトゥク(SUPER JUNIOR)といった豪華なキャストも見逃せない。

■趣深いヒューマンドラマが染みわたる…「私の解放日誌」

Netflixドラマ「私の解放日誌」は、代わり映えしない単調な毎日にうんざりし、いまの生活から抜け出したいともがく、田舎にある実家暮らしの3人きょうだいが、自由と生きがいを求めて奮闘するヒューマンドラマだ。

「まぶしくて ―私たちの輝く時間―」のキム・ソギュン監督と「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」の脚本家パク・ヘヨンがタッグを組んでいるというだけでも期待値の上がる本作。
「Oh! ご主人様〜恋ができない僕とカノジョの同居生活〜」などでラブコメ職人と称されるイ・ミンギがカッコいい男とは真逆の長男ヨム・チャンヒ役を、「サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜」などのキム・ジウォンが鬱々と生きる末っ子のミジョン役を、「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」などのイエルがはすっぱな長女のギジョン役を演じる。

そんなヨム3きょうだいの実家の家業を手伝う男を演じるのは、先述の『恋愛の抜けたロマンス』に出演するソン・ソック。彼は「ク」と名乗る以外素性がわからず、働いたあとはいつも焼酎を飲んでいる“語らなさすぎる男”ゆえに、心の動きを表情やちょっとした間合いの返事などで見せる。だからこそ醸し出される色気や人間味に惹きつけられる視聴者が続々。ミジョンと親密になり、お互いの人生に呼応していく2人。なにかを抱える登場人物たちの内面の動きに沿った展開は暗いトーンが続くが、後半に向け、それぞれが自分の生き方を見つける力強さに見入ってしまうはず。奥行きのある、味わい深いドラマだ。

■恋する気持ちを取り戻す!「ユミの細胞たち」

Amazon Prime Videoで独占配信中の「ユミの細胞たち」は、彼氏から一方的に振られた衝撃から恋愛できなくなった女性が、3年ぶりにときめくようになり、だんだんと恋愛感情を取り戻していく実写と3Dアニメーションを融合させたラブコメディだ。

原作は、グローバル累積閲覧回数が34億回(2021年9月時点)という同名のウェブトゥーン。ドラマも好評につきシーズン2が制作され、韓国ではこの6月から「ユミの細胞たち2」が放送されている。「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」で主演コン・ユと運命の恋に落ちるヒロインを務めたキム・ゴウンが本作の主人公キム・ユミ役、「梨泰院クラス」で主演パク・ソジュンの宿敵となる悪役を演じたアン・ボヒョンがユミと出会うク・ウン役。

大失恋以降、仕事一筋だった食品会社に勤めるユミが恋愛感情を取り戻すきっかけとなるのは、ミンホ(SHINee)演じる後輩チェ・ウギの存在。彼に密かに想いを寄せるユミだが、ある日ウギから「いい人がいる」とゲーム開発の仕事をしている大学の先輩ウンを紹介されショックを受ける。気乗りしないまま会う2人だが、ウンはユミに一目惚れし、次第にユミも恋心が芽生えていくのだった。ユミの感情を理性、感性、空腹、心配、愛などの細胞として3Dアニメでコミカルかつキュートに、揺れ動く女性心理を表現。恋に臆病になると誰もがユミのようになる場合もあり、不器用ながら少しずつ進んでいくユミとウンの姿にほっこりする。

■6人6様の恋愛模様を描く「都会の男女の恋愛法」

Netflixドラマ「都会の男女の恋愛法」は、都会に住む年齢も職業も異なる6人の男女に恋愛観についてインタビューしながら、それぞれの日常や恋愛の行方を描いている。

「ボーイフレンド」、「サイコだけど大丈夫」などのパク・シヌ監督と、「ロマンスは別冊付録」などの脚本家チョン・ヒョジョンという、恋愛ものが得意な制作陣によるラブストーリー。長期休暇中の儚い恋が忘れられない主人公の32歳の建築家パク・ジェウォン役を、ミュージカル仕立てのNetflixシリーズ「アンナラスマナラ−魔法の旋律−」の好演も記憶に新しいチ・チャンウク。ジェウォンと束の間の恋に落ちる天真爛漫なユン・ソナ役を、「私の解放日誌」で丁寧に心情を紡ぎ出したキム・ジウォン。

さらに、ジェウォンのいとこで同僚のチェ・ギョンジュン役を「太陽の末裔」のキム・ミンソク、ギョンジュンの恋人ソ・リニ役を「美しかった私たちへ」のソ・ジュヨン、面倒な恋が苦手な高校の体育教師オ・ソニョン役を「恋愛体質 〜30歳になれば大丈夫」のハン・ジウン、以前恋人だったソニョンと別れてから独りを好む小説家カン・ゴン役を「梨泰院クラス」のリュ・ギョンスが演じる。

ロマンチストな男性、自由な魂を持つ女性、ガールクラッシュな女性、自発的にシングルを好む男性、長年の恋人同士…。ジェウォンとソナの恋を軸に、大都会ソウルに住むイマドキの男女の友情と恋愛模様を映し出す。

多彩なラインナップをそろえる韓国ドラマは、恋愛や仕事など人生において思い悩んだ時に観ると、思いがけずヒントを得られることもあるかもしれない。ぜひ本稿を、お気に入りの一作を見つけるヒントにしてほしい。

文/かわむら あみり