渋谷区道玄坂にある複合文化施設「Bunkamura」が、東急百貨店本店土地の開発計画「Shibuya Upper West Project」に伴い2023年4月10日(月)より一部施設を除き長期休館。現在「Bunkamura」内で営業する映画館「ル・シネマ」が、渋谷東映プラザ内に移転し「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」の名称で再オープンすることが発表された。

1989年9月に日本初の大型複合文化施設として開館した「Bunkamura」。オーチャードホール、シアターコクーン、ザ・ミュージアム、ル・シネマ、ギャラリーの各施設を中心に、カフェやアート関連ショップなど様々なかたちで文化や芸術に親しめる場を提供し、1989年から2008年にかけて(1994年を除く)は東京国際映画祭の会場としても使用された。

経年使用による施設の補修や設備更新を行うと共に、新築される施設との一体化に向けて実施される改修工事は、2027年度中(時期未定)までを予定している。各施設の休館中は渋谷など東急線沿線の周辺施設や東急グループの各施設などで文化事業を継続し、オーチャードホールのみ日曜・祝日を中心に営業を継続するとのこと。

オープン以来、フランスをはじめとしたヨーロッパの文芸作品など世界各国の多様な作品を上映してきた「ル・シネマ」。1990年代のミニシアターブームのなかでも独自のカラーを貫いてきた同劇場は、移転後も“Bunkamuraカラー”を守りながら独自のキュレーションと共に上映活動を継続し、宮下エリアの刺激的なエネルギーを吸収しながらこれからの未来に開かれた映画館を目指していくという。

なお「ル・シネマ」の移転先となるのは、12月4日(日)の営業をもって69年の歴史に幕を下ろす「渋谷TOEI」の跡地。「渋谷TOEI」では「さよなら渋谷TOEI」と題し、12月3日(土)には『映画デリシャスパーティ・プリキュア 夢見る・お子さまランチ!』(22)のスタッフトーク付きイベント上映が、最終日の4日には高倉健主演の『鉄道員(ぽっぽや)』(99)と、深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(00)が上映。『バトル・ロワイアル』の上映前には脚本・製作を務めた深作健太と片岡公生プロデューサーによる舞台挨拶が予定されているほか、それぞれの作品にまつわるロビー展示も予定されている。

日々進化を続ける渋谷の街で、場所を変えて受け継がれる映画の灯。2023年初夏のオープンを予定している「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」で、どんな映画との出会いが待っているのか。続報に期待したい。

※「デリシャスパーティ・プリキュア」と「夢見る・お子さまランチ」の「・」はハートマークが正式表記

文/久保田 和馬