第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』(08)の脚本を手がけ、ご当地キャラクター「くまモン」の生みの親でもある小山薫堂が提唱した「湯道」を約7年の構想を経て、完全オリジナル脚本で映画化する『湯道』(2023年2月23日公開)。このたび、本作に音楽界のスター、天童よしみとクリス・ハートが出演することが決定。あわせてキャスト、スタッフのコメント及び、最新予告映像が解禁となった。

小山のオリジナル脚本を『HERO』(15)、「マスカレード」シリーズの鈴木雅之がメガホンをとり映画化する本作。銭湯「まるきん温泉」を経営する実家から飛びだすも、うだつが上がらず帰ってきた主人公の三浦史朗を生田斗真が演じ、史朗と犬猿の仲である弟の悟朗を濱田岳が演じている。また、常連客からも愛される看板娘の秋山いづみ役で橋本環奈、常連客の役で戸田恵子、寺島進、厚切りジェイソン、浅野和之、笹野高史、吉行和子、ウエンツ瑛士、朝日奈央、吉田鋼太郎、夏木マリ、柄本明、湯の道に魅せられたもう一つの舞台である「湯道会館」の人々の役で、小日向文世、角野卓造、生見愛瑠、窪田正孝らが出演する。

今回出演が発表された天童とハートは、銭湯「まるきん温泉」にてデュエットを披露する。天童が演じるのは、開店直後、誰もいないお風呂で歌うことが大好きな常連客の小林良子。天童は「最初にお話をいただいた時は、“え!嬉しい!”というのが率直な感想でした」と映画初出演に関してコメントしている。また、ハートが演じるのは、服役中の受刑者で、出所後のお風呂とコーヒー牛乳を夢見る青年、竜太。何ヶ月間も竜太の気持ちになりきることを意識していたというクリスは「音楽とは違うリズムでパフォーマンスができ、一生忘れられない素晴らしい経験になりました」と出演の感想を語っている。物語の重要なシーンで歌われるという「上を向いて歩こう」のデュエットに期待が高まる。

あわせて解禁となった最新予告はお湯はり完了の“あの音楽”から始まるもの。銭湯の煙突から中へ入れば、ボイラー室の悟朗(濱田)、番台の看板娘いづみ(橋本)と「まるきん温泉」のいつもの風景が広がっていく。また、今回解禁となった天童とクリスの姿もお目見えしている。銭湯を畳もうとする兄、史朗(生田)との波乱や、豪華キャスト演じる利用客が“お風呂マイルール”とともに次々と登場するなど、ユーモアあふれる映像となっている。

映像終盤の爆発音、炎と横たわる悟朗の姿はなにを意味しているのだろうか?湯を通して様々な人間模様を描く本作に今後も注目したい。

■<キャスト、スタッフコメント>

●天童よしみ(小林良子役)

「今回、映画に初めて出演させていただいたのですが、最初にお話をいただいた時は、“え!嬉しい!”というのが率直な感想でした。参加させて頂き、とても感謝しています。撮影現場は、監督さんはじめスタッフの皆さん、共演者の皆さんがひとつになって、一つのものを創り上げていて、大変感動しました。お風呂での歌唱シーンは、歌手、天童よしみとしても大胆に挑みました。浴室は声がよく響きますし、服を脱いで自然体にもなって、とても心地よく歌えました。クリス・ハートさんはハートのある発声法と魅力的なボイスで、以前からご一緒したいと思っていたのですが、今回念願かなって初めてコラボができました。クリスさんとのハーモニーには、是非ご期待いただきたいです。今作は、人生について考えさせられつつもファンタジックな所もあって、不思議なぬくもりのある作品です。こういう映画はいままで観たことがない気がします。是非、劇場で、やさしさに触れ、ホロっと涙し、心を温めていただけると嬉しいです」

●クリス・ハート(竜太役)

「初めて映画に出演しました。音楽とは違うリズムでパフォーマンスができ、一生忘れられない素晴らしい経験になりました。何ヶ月も竜太という役のことを考えていたので、撮影が終わるのがとても寂しかったです。今回、新しいことにチャレンジでき、ステージでパフォーマンスする上でも力になる気がしています。また機会があれば、お芝居をやりたいですね。裸での歌唱は、いままでにない体験でした(笑) 天童さんとは男湯と女湯で距離が離れていましたが、目の前で一緒に歌っているような感覚で歌うことができ、この映画にとって特別な瞬間を一緒に作れたと感じています。銭湯や温泉、お風呂の文化はアメリカにはないですし、日本の大切な文化だと思います。日本の素晴らしさ、人と人をつなぐ思い出の場所で描かれるストーリーが、いろんな人へ届くことを願っています。皆さんに早くご覧いただき、楽しんでほしいです」

●小山薫堂(企画・脚本)

「お風呂における浴室の天然エコーは、歌い手にとって最高のステージだと思います。その天然エコーでプロのシンガーが歌うと、どこまで感動できるんだろう…そんな発想から二人のシーンをつくりました。二人のシーンを観ると、きっと誰もがお風呂でお気に入りの歌を口ずさみたくなるはずです」

●若松央樹(プロデューサー)

「脚本の打ち合わせ時から、お風呂で歌う登場人物には、とにかくハッとするような歌の上手さがあったらといいなと思っていました。そう言う意味では歌の上手な俳優さんというより、最初から『歌手』の方に当たろうと思っていました。そして役柄や映画の世界観から、親しみやすさがあって庶民的なイメージもあるという意味で、真っ先に天童さんにオファーいたしました。さらに、そのデュエットの相手として、歌のジャンルも違った方が、驚きやどんなハーモニーになるのか、自分でも楽しみだと思い、クリスさんにオファーしました。お二人とも映画出演は初めてとのことでしたが、あれだけの経験と表現力のあるお二方ですので、演技も素晴らしかったです。女湯男湯の壁をはさんだデュエットを聞いた時には、感動で涙が溢れました。是非その歌声と二人のストーリーに注目して見ていただければと思います」

文/鈴木レイヤ