10月23日(月)から11月1日(水)にわたり開催される第36回東京国際映画祭。このたび、オープニング作品に『PERFECT DAYS』(12月22日公開)が、クロージング作品に『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)が上映されることが決定した。

オープニング作品に決定したのは、今年のカンヌ国際映画祭で主演の役所広司に最優秀男優賞をもたらした、ヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』。最優秀男優賞受賞時にヴェンダース監督が「役所広司は僕の笠智衆だ」と絶賛した本作は、渋谷でトイレ清掃員として働く男、平山(役所)の、何気ない時間を日々送るなかで起こった思いがけない事件を描いていくドラマとなっている。

そしてクロージング作品は、監督、脚本、VFXを山崎貴が務める『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)に。1954年に初めて姿を現して以来、日本のみならず世界中を魅了し、衝撃を与え続けてきた怪獣「ゴジラ」。ゴジラ70周年記念作品でもある本作が、公開前唯一の一般向けの世界最速上映として日本の映画祭の終幕にその咆哮をあげる。

カンヌで世界を感動させた傑作と、日本が生んだ名キャラクターを描いた節目となる一作がそろう第36回東京国際映画祭。本映画祭の顔となるこの2作品に期待しよう。

■<コメント>

●ヴィム・ヴェンダース(『PERFECT DAYS』監督)

「今年の東京国際映画祭は私が敬愛する巨匠、小津安二郎監督の死後60年、生誕120年の記念すべき年に開催されるもので、そんな機会に参加できることは私にとっては特別なことです。そこで私の『PERFECT DAYS』がオープニング上映されるというのはこれ以上ない誇りです」

●市山尚三(プログラミング・ディレクター)

「『PERFECT DAYS』がワールド・プレミア上映されたのは5月25日、カンヌ映画祭も終盤に差し掛かり佳境を迎えようとしていた頃でした。公式上映が終わった後、映画を観た人々が一様に幸福そうな表情で感想を話していたことをよく覚えています。まさに映画祭の空気が一変した瞬間でした。世界から集まった映画のプロフェッショナルたちの感情をそこまで動かしたこの作品をオープニング作品として映画祭の観客の皆様にお届けできることは、プログラミング・ディレクターとして大きな喜びです」

●山崎貴(『ゴジラ-1.0』監督)

「かつて東京国際映画祭といえばゴジラ初お披露目の場所でした。公開前、たった一度だけと決まった一般上映をその伝統ある映画祭で行えるというのは運命を感じますし、とても光栄なことだと思っています」

●市山尚三

「『ゴジラ-1.0』は初代ゴジラに当時の製作者たちが込めた精神を引き継ぎつつ、様々な点において山崎監督の果敢なチャレンジが見て取れる素晴らしい作品です。この作品を世界に先駆けてクロージング作品として東京国際映画祭で上映できることは大きな喜びです」

文/サンクレイオ翼