『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)で初めてお披露目された新スパイダーマンが主人公となって縦横無尽に飛び回る『スパイダーマン:ホームカミング』がついに公開!これまでの『スパイダーマン』シリーズとはまったく違う80年代ティーン・ムービーのような雰囲気をたたえた本作の魅力を、誰もが知るマーベル・コミックのスーパーヒーローに若くしてなったトム・ホランドと、長編3作目で大作のメガホンを任されたジョン・ワッツ監督に聞いた。

今作のスパイダーマンこと、ピーター・パーカーは15歳の高校生。タイトルにある“ホームカミング”とは、本編にも登場するアメリカの高校の一大イベント。もちろん“帰郷”の意味も含まれており、スパイダーマンの“原点”を思わせる。監督は言う。「コミックのルーツに戻りたいという気持ちがあったんだ。ハイスクールにスパイダーマンがいるということが楽しいと感じたからね。(作品の)カラーとしては80〜90年代から、クラシックな60〜70年代まで、過去のいろいろな映画を参考にしているけれど、一番大きなインスピレーションを受けたのは、80年代のジョン・ヒューズの青春映画だ」

本編中にもジョン・ヒューズ監督の『フェリスはある朝突然に』(86)が映り込んでいる。トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドに続く3代目スパイダーマンとして、ヒーロー役を任されたトムはロンドン出身。ミュージカル「ビリー・エリオット」の舞台に立ち、『借りぐらしのアリエッティ』(10)のイギリス上映版では、主人公の声を担当した21歳だ。

「5年ほど前に開かれたある授賞式で、『スーパーヒーローを演じるなら誰がいい?』と聞かれて、『10年後にガーフィールドの後を継いで、スパイダーマンをやれたらいいな』って答えたんだ。もしそのとき別の誰かが『5年後に日本に来てスパイダーマンの宣伝をしているよ』なんて言ったら、ウソだろってパンチしていたと思うけどね(笑)。もうこれからは公の場でどんどん言おうかな。『ジェームズ・ボンドをやりたい』とかってね(笑)」と、本編と変わらぬ笑顔で夢が実現した喜びを語った。

ミュージカルで活躍してきたトムの身体能力は、監督が思った以上に高かった。「スパイダーマンのスーツを着ていても動きだけでトムだとわかるから、これはスタントマンを使えないなと思った。トムにはやっかいなことだったと思うよ。ほぼすべてのアクションをやらなければならなくなったわけだから。でも本当に素晴らしかった」と称賛する。

さらに「ほとんどの場面で実際に彼が演じているんだよ」と明かすと、トムは「大変というより怖かったね」と撮影を振り返る。

「瓦礫の下に埋もれるシーンは本当にセットが重くてキツかった。持ち上げなきゃいけなかったからね。でも一番大変だったのは、同じレベルのエネルギーをキープし続けること。スパイダーマンはすごくエネルギッシュなキャラクターだから、クランクインから90日経った日の午前4時に撮影しても、同じ力を保っていないといけなかったんだ」

まったく新たな魅力を携え、最初から最後まで明るいパワーで走り切る新スパイダーマンが誕生。最後に2人からメッセージ。まずは監督から。「人は今までに見たことがないものを見たいと思って映画館に行く。だから私としては、観客を驚かせ続けたい。見たことのないものを見せたい。『スパイダーマン:ホームカミング』はまだ始まり。これからもどんどん人々を驚かせ続けたいと思っているよ」。

そしてトムも抱負を語った。「この映画の喜びにあふれているところが好きだし、それでファンの人たちがハッピーになってくれるのがうれしい。これからも見た人が笑顔になって、ハッピーな気持ちになってくれたら、僕は自分の仕事を全うしたことになると思っているよ」【取材・文/望月ふみ】