現地時間9日に開催された、第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門の授賞式で、ギレルモ・デル・トロ監督のダークファンタジー『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題)』が最高賞にあたる金獅子賞を受賞した。

デル・トロ監督は、メキシコ代表としてアカデミー外国語映画賞にノミネートされた『パンズ・ラビリンス』でのカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品以来となる、2度目の三大映画祭挑戦で、初めて最高賞受賞を果たした。アメリカ映画が金獅子賞を受賞するのは第67回のソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』以来7年ぶりのことで、来年行われる第90回アカデミー賞の有力作として注目されることだろう。

同じくアカデミー賞の有力作として注目を集めた、マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード・アウトサイド・エビング、ミズーリ(原題)』は脚本賞を受賞した。

金獅子賞受賞経験のある監督2人は明暗が分かれた。『レバノン』で受賞経験を持つイスラエルのサミュエル・マオズ監督は『フォックストロット(原題)』で審査員大賞を受賞。『レスラー』で第65回を制したダーレン・アロノフスキー監督の『マザー!』は賛否両論を巻き起こしたが、無冠に終わった。

また、監督賞にあたる銀獅子賞には『カストディ(原題)』のグザヴィエ・ルグラン監督が選ばれた。ルグラン監督は、ルイ・マル監督の『さよなら子供たち』に出演した経歴を持ち、2013年にはアカデミー賞にノミネートされた短編映画『全てを失う前に』を監督。今回が長編監督デビュー作となった。

最優秀女優賞に輝いた『ハンナ(原題)』のシャーロット・ランプリングは、一昨年アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『さざなみ』でベルリン国際映画祭女優賞を獲得したことに続く映画祭制覇。その『さざなみ』を手がけたアンドリュー・ヘイ監督の新作『リーン・オン・ピート(原題)』も今回のコンペティション部門に出品されており、主演を務めたチャーリー・プラマーにマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)が贈られた。

一方、日本から出品された是枝裕和監督の『三度目の殺人』(公開中)は惜しくも無冠に終わったが、公式上映では上々の反応を獲得。多くの現地メディアがその完成度の高さを評価した。受賞結果は以下の通りとなっている。

第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門受賞結果

・ 金獅子賞(作品賞):『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題)』ギレルモ・デル・トロ監督

・ 銀獅子賞(監督賞):『カストディ(原題)』グザヴィエ・ルグラン監督

・ 審査員大賞:『フォックストロット(原題)』サミュエル・マオズ監督

・ 審査員特別賞:『スウィート・カントリー(原題)』ワーウィック・ソーントン監督

・ 男優賞:カメル・エル=バシャ『ジ・インサルト(原題)』

・ 女優賞:シャーロット・ランプリング『ハンナ(原題)』

・ マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞):チャーリー・プラマー『リーン・オン・ピート(原題)』

・ 脚本賞:『スリー・ビルボード・アウトサイド・エビング,ミズーリ(原題)』マーティン・マクドナー監督

・ 栄誉金獅子賞: ジェーン・フォンダ&ロバート・レッドフォード

【文/久保田和馬】