茶トラにキジトラ、三毛に、もふもふの黒白、ほか多種多様。“猫の街”トルコ・イスタンブールに暮らす、様々な模様のたくさんの野良猫たち。そんな彼らのかわいさを堪能できるのが、猫と人間の幸せな関係を描くドキュメンタリー映画『猫が教えてくれたこと』(11月18日公開)。

■ 猫たちに寛容なイスタンブールの人々

海洋交易の重要拠点として発展した古都イスタンブールでは、猫は古代、貨物船に乗って世界からやってきたとされている。そのエキゾチックな街並みには、今もそこら中に常に猫の姿があり、人間の生活に自然に溶け込む彼らの様子は、地上10センチの高さの“猫カメラ”で撮影された猫目線の映像で身近に感じることができる。あらゆる表情を切り取ったアップの描写、景観の一部として猫がたたずむ絵画のようなカットも魅力的だ。

イスタンブールの人たちは、野良猫を放任しつつ家に出入りさせ、魚屋さんでさえ“お魚くわえたドラ猫”にも知らんぷり。街のあちこちにエサや水が置かれ、野良猫・子猫たちに食料を運びお世話をするおじちゃんおばちゃんもいる。

■ イスタンブールの猫は?街の魂”

そして、そんな街の人の声が、猫の物語を解説する。母親になったら突然したたかに食べ物を盗むようになった泥棒猫サリ、何人もの男性のハートをつかんで喉をゴロゴロするおじさまキラーな猫ベンギュ、気性が激しく旦那を尻に敷く女ボス猫のサイコパス、ハイソなカフェで空腹時に窓をたたき燻製肉&チーズを要求するメタボなグルメ猫デュマンなどなど…そのキャラは実に個性的。人間とつかず離れずの絶妙な距離感を保つ自由さは、いかにも猫らしい。

住民が語るストーリーからは、猫に深い愛情を注ぐ人間が、悩みや苦しみを胸に秘め、逆に猫に癒され救われていることが見えてくる。人間の心の支えでもあるイスタンブールの猫は、どこか神がかった街の魂とも言えるのだ。 

「イスタンブールへ行って、猫をなでたい! 」観ればそんな気持ちになる、究極の癒しにゃんこムービーを、あなたもぜひ劇場で!(Movie Walker・文/トライワークス)