ディズニー/ピクサーの最新作『カーズ/クロスロード』がいよいよ本日11月15日より先行デジタル配信。そして11月22日(水)にはMovieNEXが発売される。レーサーとして引退を迫られる主人公マックィーンの再起をかけた熱いドラマが全世界で話題を呼んだシリーズ第3作は、大ヒットした第1作への原点回帰を目指したと言われる。

今回、そのクリエイティブの秘密を探りに、アメリカ、カリフォルニア州にある“ピクサー・アニメーション・スタジオ”へ突撃取材を敢行した。そこで監督やプロデューサー、日本人クリエイターである原島朋幸氏ら関係者の証言と共に『カーズ/クロスロード』の魅力を数回に渡ってお届け!

第1回は、導入編として本作を生んだ“ピクサー・アニメーション・スタジオ”の秘密をご紹介。実はMovie Walker編集部がスタジオを訪れるのは16年12月以来。なので、今回は更にマニアックな秘密を調査した。

サンフランシスコ近郊のカリフォルニア州エメリービルにあるこのスタジオが作られたのは2000年11月のこと。『バグズ・ライフ』の世界的大ヒットがこの広大な敷地のスタジオに繋がったという。

おなじみの正門を抜けると見えてくるのが、設立者のひとり、故スティーブ・ジョブズの名を冠した有名なメインオフィス“スティーブ・ジョブズ・ビルディング”。中に入ると吹き抜けのオープンエリアが広がり、カフェエリアやオフィシャルショップも併設。まるで商業施設のようだ。

ジョブズのアイデアが設計に反映された建物は、スタイリッシュのひとことで、現在は11月22日の全米公開を控える『リメンバー・ミー(原題:Coco)』(日本2018年3月16日公開)の装飾が至るところに飾られている。

入口には前回紹介したレゴブロックで作られた『トイ・ストーリー』のウッディ&バズがハロウィン仕様のヒゲ姿でお出迎え。実はその他にも『カーズ』シリーズの人気キャラ・ルイジとグイドなど、ピクサー・キャラクターがたくさん待っている。

続いて潜入したオフィスは“ブルックリン”。この建物の最初の秘密は、その屋上に『ファインディング・ニモ』に登場するかもめが羽を休めていること。今にも「ちょうだい、ちょうだい」と聞こえてきそうだ。

建物内に入ると、フローリングにレンガの壁、そして暖炉があり、“スティーブ・ジョブズ・ビルディング”とはうってかわってシックなデザインだ。ここにはピクサー作品のアフレコを行う録音スタジオが入っている。

『カーズ』シリーズのマックィーン役、オーウェン・ウィルソンはもちろん、『トイ・ストーリー』ウッディ役のトム・ハンクスなどの豪華俳優たちもここで収録したと思うとテンションが上がる!

さらにこの建物にはさらに秘密があり、暖炉裏に隠し部屋があるのだ。スタジオ敷地にはもともとオークランド・アスレチックスのもとになった野球チームの本拠地があったらしく、スタジオ建築時に地中から当時のキャッチャーマスクやボールが出土し、チームに敬意を表してそれらアイテムを美しく展示しているのだという。その心遣いはさすがピクサーだ。

他にも“ウエスト・ヴィレッジ”や“ソーホー”といったNYを見立てたオフィスが並ぶ。そんな各施設の中でも目を引くのが、リラクゼーションエリア。敷地内には、サッカー場、バスケットコート、プールがあり、それらは自由に使用できるのだ。さらにはフェニックスの木に結ばれた巨大なハンモックも。

もうひとつ自由なクリエイティブな制作環境というと、ここで働く全てのスタッフが“オープンコミュニケーション”が取れるようなイベントも用意されている。一定期間ごとにくじで選ばれた10人がランダムに同社CEOのエドウィン・キャットマルとランチができるのだ。“ランチ・ウィズ・エド”と呼ばれ、フラットな意見交換の場となっている。

建物もシステムも実に開放的で働きやすい環境が用意されているピクサー。『カーズ/クロスロード』をはじめ、全世界の映画ファンを楽しませている魅惑のアニメーション作品群の秘密は、それを作っているスタジオ全体に隠されていると言っても過言ではない。(Movie Walker・取材・文/Movie Walker)