2010年に発表され、YouTubeとニコニコ動画での再生回数が合計430万回を超える(2017年12月時点)、40mPの人気ボカロ曲「トリノコシティ」。思春期の少年少女が抱く孤独感を歌った同曲をモチーフにした映画が12月23日(土)に公開される。これまでにもボカロ曲が基になった映画は数多くあるけど、そもそも“ボカロって何?”という疑問をお持ちの人も少なくないのでは?

■ 作曲・演奏の間口を広げた“ボーカロイド”

“ボカロ”とはヤマハが開発した音声合成技術“VOCALOID(ボーカロイド)”の略称。楽器の演奏が苦手な人もメロディや歌詞をパソコン上で入力するだけで作曲できるというアイテムだ。“リアルな歌い手”がいなくても楽曲が発表できることもあり、2003年の発売の際には話題を呼んだが、それに拍車をかけたのが2007年に登場した「初音ミク」だった。

「初音ミク」以外にもそれぞれ異なる音域を得意とするキャラクターが増えたことで、ニコニコ動画などには“ボカロP”と呼ばれるボーカロイド作曲者も増え、その歌詞世界を元にした小説などを発表する人も出てきた。

■ 曲が映画になるとどんな感じ?

そんな中でボカロ曲初の商業映画となった作品が『脳漿炸裂ガール』(15)。れるりりが当社比P名義で2012年に発表した曲は、マシンガンのごとく発せられる歌詞がユニークで、映画版では同曲をモチーフにした小説を基に、デスゲームに参加させられた女子高生たちのサバイバル劇が描かれた。

次に映画化されたのがhalyosyが2008年に発表した『桜ノ雨』(15)。卒業ソングの定番として中高生から絶大な支持を受け、ボーカロイドのキャラクターたちの学園生活を想像した小説版を基に、高校の合唱部員の青春を描いたせつない物語となっていた。

■ 『トリノコシティ』はどんな物語に?

両作に続いて実写化された『トリノコシティ』は、2015年に40mPとコラボCDを発表したクリエイター・シャノによる小説版が発表されており、遊園地に迷い込んだ3人の女子高生の運命がミステリアスにつづられていた。だが映画版は原曲の世界観をベースに山口ヒロキ監督が自ら脚本を手掛けたもの。“なんでも願いが叶う”サイト・トリノコシティに迷い込んだ女子高生・明日夏(山崎丹奈)がたどる運命を描くSFテイストの物語で、小説とは異なる印象を抱くかもしれない。

こう書くと、ボカロ好きには縁遠い作品なのかな?と思われそうだが、40mPが自身初の映画音楽を手掛けるなど、ガッツリ作品に携わっているのでボカロファンも、映画として興味を抱いた方にもオススメと言える。映像はもちろん、音楽にも注目したい一作だ。(Movie Walker・文/トライワークス)