今年で生誕110年を迎える太宰治が死の直前に完成させ、“世界で最も売れている日本の小説”として世界中で読み継がれている名著「人間失格」。その誕生秘話を、写真家としても活躍する蜷川実花監督が実話を基にしたフィクションとして映画化した『人間失格 太宰治と3人の女たち』が9月13日(金)から公開される。

太宰治を演じる小栗旬をはじめ、成田凌や千葉雄大、藤原竜也ら豪華俳優陣が集結したことでも話題を集めている本作で、とくに注目してほしいのが太宰を愛した3人の女たちのゴージャスでスキャンダラスな生き方。“ニナガワカラー”と称される鮮やかな色彩美の中で3人の女優たちが魅せる体当たり演技は、本作に強烈なインパクトを与えてくれる。

なかでもひと際艶やかな魅力を放っているのが、蜷川監督が手がけた問題作『ヘルタースケルター』(12)でも主演を務めた沢尻エリカが演じる太田静子。「愛されない妻より、ずっと恋される愛人でいたい」と太宰の子どもを望む彼女は、才気と色気をただよわせる太宰と逢瀬を重ねていく。静子の美しさを余すところなく体現していく沢尻の女優魂に、きっと誰もが目を奪われてしまうことだろう。

また“太宰最後の女”にして恋のためなら死をも恐れない山崎富栄を演じる二階堂ふみが、不貞への自己嫌悪に駆られながらも、止まらない太宰への想いから恋に溺れていく姿。そして太宰を最後まで献身的に支える正妻・対馬美知子を演じる宮沢りえの大人の気品漂う姿。3人の女優たちがスクリーンいっぱいに色気と妖艶さを放ちながら、赤裸々かつ大胆に火花を散らして競っていく。

そのスキャンダラスなシーンの連続に、映画のレーティングを定める映画倫理委員会からは「刺激の強い性愛描写がみられる」との理由でR15+(15歳未満の鑑賞不可)を指定された本作。かつてない形で描かれる太宰治の姿と、自分の意思で力強く生きる女たちが織りなす、はてしなくゴージャスでロマンティックな“蜷川ワールド”を、是非とも劇場で味わってほしい。(Movie Walker・文/久保田 和馬)