本年度のカンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いたフランス映画「Les Misèrables」(原題)が『レ・ミゼラブル』の邦題で2020年2月28日(金)より公開されることが決定した。

第72回カンヌ国際映画祭で、パルムドールを受賞したポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』(2020年1月10日公開)と競い、現代の社会問題をリアルに切り取った衝撃作として「コンペ最大のショック!」と称賛を受けたほどセンセーションを巻き起こした本作。

舞台となるのは、様々なバックグラウンドを持つ人々が暮らし、現在は犯罪多発地区の一部となっているヴィクトル・ユーゴーの傑作「レ・ミゼラブル」で知られるパリ郊外のモンフェルメイユ。犯罪防止班に配属された新人警官のステファンと同僚たちが、ある少年の引き起こした些細な事件をきっかけに、やがて取り返しのつかない事態へと陥っていく様を緊張感あふれる描写で描き、第92回アカデミー賞国際長編映画賞ではフランス代表に選出されている。

監督と脚本を務めたのは、モンフェルメイユで生まれ育ち、現在もその地に暮らす新鋭ラジ・リ監督。長年Webドキュメンタリーを手掛け、2006年には世界的ストリート・アーティストのJRと共同でプロジェクトを発表するなど幅広く活躍し、本作が初長編監督作品となる。ラジ・リ監督自身がこの街で体験してきた出来事を、圧倒的な緊迫感とスタイリッシュな映像で描き、本作を絶賛しているスパイク・リーもその才能を認めアメリカにおけるプロモーションのサポートを買って出るほど。

また、フランスのマクロン大統領も本作を鑑賞し、自国が抱える問題をリアルに描いた本作に反応。政府に「映画の舞台となった地域の生活条件を改善するためのアイデアを直ちに見つけて行動を起こす」よう求めたという。権力者によって抑圧されている弱者と社会で居場所を失った人々。まさに、“ミゼラブル“(悲惨)な世界の現状を反映した問題作となる本作を、心して待ちたい。(Movie Walker・文/富塚 沙羅)