『嘆きのピエタ』(12)で第69回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞するなど、各国の映画祭で多くの賞を受賞している韓国の異端児キム・ギドク監督の最新作『Human, Space, Time and Human(原題)』が『人間の時間』の邦題で、2020年3月より順次公開されることが決定。あわせて、キービジュアルが解禁となった。

第68回ベルリン国際映画祭のパノラマ・スペシャル部門招待作品としてプレミア上映され、賛否両論を巻き起こした本作。キム・ギドク監督の長編23作目となり、様々な年齢と職業の人間が軍艦に乗り合いクルーズ旅行をするなか、軍艦が異次元へと辿り着き、取り残された乗客たちが生き残りをかけ様々な悲劇的事件を起こしていく様を描くファンタジー作品。極限状態で道徳と倫理を越えてむきだしになる欲望を通して人間の深淵を描きだす。

主人公のイヴ役を演じるのは、日本と韓国を行き来しながら映画やドラマで活躍し、韓国では「ドクター探偵」、「私たち結婚しました 世界版」などで注目されている藤井美菜。また、アダム役を甘いマスクで韓国のみならず日本でも高い人気を誇るチャン・グンソクが体当たりで熱演。さらにイヴの恋人役として、ギドク監督と親交の深いオダギリジョーが特別出演をはたしている。

また謎の老人を、デビュー63周年となる韓国の国民的俳優アン・ソンギ、カメレオン俳優と言われるイ・ソンジェ、アクション俳優としても評価の高いリュ・スンボム、ミュージカルでも活躍するソン・ギユンなど、日韓の豪華キャストによる競演も見どころだ。

善悪の境界線が揺らぐディストピアに、希望はあるのか…?強烈な表現で常に物議をかもしてきたキム・ギドク監督の真骨頂となる本作に期待が高まる。(Movie Walker・文/富塚 沙羅)