松たか子と広瀬すず、福山雅治らの共演で大きな話題を集め、現在大ヒット公開中の岩井俊二監督最新作『ラストレター』。その原作となった岩井監督による同名小説を、岩井監督自身のメガホンのもと、『ラストレター』に先駆けて中国で映画化した『チィファの手紙』が、この秋日本公開されることが決定した。

本作は、過去と現在2つの世代を通して紡がれる淡く美しいラブストーリー。亡くなった姉チーナン宛に届いた同窓会の招待状を手に、姉の死を知らせるために同窓会へと参加したチィファ。しかしそこで彼女は、周囲からチーナンと勘違いされた上に初恋相手の先輩チュアンと再会する。そして真実を言い出せないままチーナンのふりをして始めた文通が、あの頃の初恋の思い出をよみがえらせていくことに…。

初めて中国映画を手掛けた岩井監督は、日本版と同様に脚本と編集を自ら務め、プロデュースと音楽も兼務。また岩井監督作品らしい印象的な世界観を作りあげる撮影監督は、日本版でも撮影を務めた神戸千木が担当。さらにプロデューサーには『ウォーロード/男たちの誓い』(07)や『最愛の子』(14)などで知られるアジア映画界の巨匠ピーター・チャンが名を連ねている。

そして日本版で松たか子が演じた役柄に当たる主人公チィファ役を演じるのは、“中国四大女優”の1人として国際的に活躍するジョウ・シュン。また、福山雅治が演じた役柄に当たる初恋相手の先輩チュアン役を、チェン・カイコー監督の日中合作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(18)で陳雲樵役を演じたチン・ハオが演じる。

中国では2018年の秋に公開され初週の興行成績ランキングで中国映画第1位を獲得し、その後北米やオーストラリアでも公開。さらに中国のアカデミー賞と言われる第55回金馬奨では主演女優賞ほか3部門にノミネートされるなど高い評価を集めた本作。日本版『ラストレター』をすでに観た人はもちろん、まだ観ていないという人も、国境を越えて煌く岩井俊二ワールドを堪能してみてほしい。

<コメント>

●岩井俊二(監督・脚本・原作・編集・音楽)

「僕自身初めての中国映画であるということ。みずからの原案を複数の国で撮影するということ。なかなか挑戦的なプロジェクトで実現に相当な時間もかかりましたが、無事完走出来て、改めて振り返るとすべてが忘れ難い思い出です。撮影は素晴らしい俳優たちとスタッフに恵まれ、幸福な時間でした」(Movie Walker・文/久保田 和馬)