第72回カンヌ国際映画祭を皮切りに世界各国29の映画祭を熱狂させ、異例の全米先行公開でも大きな話題を集めた三池崇史監督の待望の最新作『初恋』(2月28日公開)のジャパンプレミアが2日、新宿バルト9にて開催。窪田正孝、内野聖陽、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキー、村上淳、そして三池監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。

本作は余命わずかのボクサーがヤクザに追われる1人の少女を助けたことから黒社会の抗争に巻き込まれていく姿を描いた、三池監督初のラブストーリー。天涯孤独のプロボクサー・葛城レオは、負けるはずのない相手との試合でまさかのKO負けを喫し、さらに試合後の診察で余命わずかであることを告げられてしまう。現実を受け止めきれずに歌舞伎町を彷徨っていたレオはモニカという名の少女に出会い、彼女の境遇にシンパシーを覚える。そしてレオは、半ばヤケクソで彼女と行動を共にすることに…。

冒頭の挨拶で窪田が「たくさんのいろんな映画祭に行って、やっとこの日本に帰ってこられて感慨深い。やっと皆さんにお届けできる日が来たのかなと、ちょっと感動しています」と語ると、その途中でマイクが途切れるハプニングが。それでも窪田は地声で「今日はよろしくお願いします!」と深々とお辞儀をし会場を沸かせる。

また三池監督は映画の舞台でもある新宿で日本初上映を迎えることに「なにかの運命かなと」顔を綻ばせ「映画では危険な街でしたが、いまは歌舞伎町はクリーンな街です。映画を観終わった直後に現場だった街を観てもらうというのはそうそうあることではないので、その点もお楽しみいただければと思います」と述べた。

そしてトークセッションはざっくばらんに座談会形式で進められ、映画祭の思い出や撮影中のエピソードなどを語っていく登壇者たち。「僕は1泊3日で、昼に着いて取材をやって夜ご飯を食べたら次の日2時か3時起きで日本に強制送還されたんです(笑)」とカンヌでの弾丸スケジュールを明かした窪田は、上映に参加できなかったことを名残惜しそうに振り返る。一方で、カンヌの上映にも参加した小西は「映画好きの人たちの熱気を生で体感できて楽しかったです」と満面の笑みを浮かべる。

窪田が三池組に参加するのは「ケータイ捜査官7」と『十三人の刺客』(10)以来、約10年ぶり。「三池さんと仕事をする時はいつも夜で、夜をこんなに味方につける監督はいない。見えなくなる中で芝居する感覚は不思議な高揚感があって、そこにプラスアルファで監督が背中を押してくれると、さらになんとも言えない感覚になる」と感謝を込めながら語る。そして「普通じゃありえないことをどれだけリアルに突き詰めるかという、監督の頭がイカれちゃってるとしか言いようがないことも、僕たちが求めてるものなんだなと思います」と熱量たっぷりの現場を楽しげに振り返っていた。(Movie Walker・取材・文/久保田 和馬)