春の石川県会議員選挙、定数4の小松市選挙区は県政界の重鎮ら現職3人に加え自民系の新人3人が出馬を表明。候補者乱立で票の読みにくい選挙戦になりそうです。

人口10万6000人余りの小松市。来年春の新幹線延伸を追い風にしたい一方で、若者の人口流出や地域の活性化策などが喫緊の課題となっています。とりわけ去年夏の豪雨からの復旧作業は今も続けられています。

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現職・福村章氏
「胸を張って受け継いでいける、そんな故郷小松を、石川県をつくりあげていきたい。おかげさまで神仏のおかげかと思う。不思議なほど元気です」

県政界の重鎮で自民党県連の最高顧問を務める現職・福村章氏84歳。11期44年の経験を誇るベテラン県議の互例会には、およそ800人の支援者らが集まりました。

もちろん去年3月の知事選で支援を受けた馳浩石川県知事の姿も…。
馳知事
「あらゆる情報を集めて政策を実現しようとしているのが福村章さん、別名“まめお”さんです。県政を発展させていこうという前向きな気持ちに今年の4月もなってもらいたい」

馳知事の“生みの親”を自認する福村氏、12期目の当選に向け意欲も充分です。
福村氏
「経験と知識はだれにも負けないと思っている。若い人もおられますけど砲丸投げや100メートル競走するわけでないのでこの世界でやっていくので、私はそうそう誰にも負けるとは思っていません」

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現職・一川政之氏
「大変厳しい選挙が予想されているのでまずはしっかり地道に活動していく。自民党支持者以外の受け皿になるということだろう、ただ地方選挙なので私自身は政党だけにこだわるのではないだろうと思っている」

立憲民主党県連の幹事長を務める現職・一川政之氏49歳。県議会議長を務めた祖父・保正氏の代から続く後援会組織「一誠会」を基盤に、3選目を目指します。去年8月の記録的豪雨で、中海町の実家が被災した一川氏は、流域での治水対策を最大の使命に掲げます。

一川氏
「1階の全面が泥水に浸かった。大変残酷な自然災害だった。今回6人が手を挙げているが、被災地のことを誰よりも考えているのは私だけだと思う」

今回、出馬の意向を示す6人の中で唯一の野党候補となる一川氏。党本部からも岡田克也幹事長が駆けつけて激励します。
立憲民主党・岡田克也幹事長
「今年1年は非常に大事。まずは一川さんの選挙、しっかり結果を出してほしい」

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現職・八田知子氏
「女性は私しかいないというのは他の男性の方々と唯一差別化できるところ。例えば福祉、介護、子育て自分の強みを全面的にアピールできたらと思う」

3期目への再選を目指す、現職の八田知子氏60歳。子育て支援・女性目線での防災・動物の愛護活動など、6人の中で唯一女性である強みを生かしたいといいます。
コロナ禍を理由に新年互例会や県政報告会を開かなかったものの、SNSを中心に自身の強みをアピールする“空中戦”を展開したいということです。

八田氏
「こちらのほうからできるだけ思いや情報を発信できるような。たしかに混戦な状態になってきましたけど、8年間の実績を皆さんにお伝えできれば」

“混戦になってきた”と危機感を示す八田氏。それもそのはず、同じ小松市安宅町から円地氏が出馬を表明したことについては…。
八田氏
「(自宅が)100メートルしか離れてない。今回びっくりはしたんですけど…」
地盤が重なる新人候補の出馬は、八田氏としても想定外だったようです。

藤井義弘氏
「今回引退を表明しているわけでありますけど、私の後継にぜひ1つ、円地君を応援したいと思いました」

引退を表明した現職・藤井義弘氏が、後継として選んだのは円地仁志氏56歳でした。

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新人・円地仁志氏
「私も小松市議会5期20年の経験もありますので、市政で培った経験を県政で生かしていきたい」

選挙に強い藤井氏の後援会による全面バックアップで、集票力も期待できる円地氏。地盤が重なる八田氏とは、電話で話したといいます。
円地氏
「私の一番胸に引っかかっていたところを八田さんから温かい言葉頂いた“お互い当選めざして頑張りましょう”“2人とも当選するよう頑張りましょう”と」
八田氏
「びっくりはしたけど、でも小松市のため石川県のために同じ方向を向いて頑張っていけたらなと」

さらに…。

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新人・吉田寛治氏
「小松に生まれてよかったなあと、そして小松で家庭を営み子育てをしていける。そんな希望を持てるような街をつくっていきたい」

小松市内で自動車販売業を営む社長、吉田寛治氏65歳。自民系の市議でありながら、去年の参院選では、参政党からの候補者を支援しました。また知事選では小松市以南の現職議員で唯一、山野之義前金沢市長を応援するなど、独自の人脈を生かした戦いを展開します。

山野之義 前金沢市長
「知事選でお世話になった県議・市議の皆さんには少しでも恩返しをしたいと、そんな思いできょうは、声をかけてくれたので寄らせてもらった」

シングルファザーとして子どもを育てあげた吉田氏は、子育て支援などの少子化対策を「第一優先事項」に掲げます。
吉田氏
「私は後悔したくない。他の人にないもの私だけの個性、経験は小松市に絶対に必要だという信念をもっています」

さらに33歳の若さで県議選に挑む新人も…。

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新人・竹田良平氏
「人はだれでも頑張ってもできないことがあります。誰かの助けが必要な時、持ち前の根性で相手目線に立った政治に取り組んでいきます」
出馬に至った経緯をプロジェクターを使って説明するのは、竹田又男元小松市長の孫、新人・竹田良平氏33歳です。

脳性麻痺の影響で、生まれつき右手・右足が不自由だという竹田氏、障害者福祉施設の支援や就労環境の整備などに取り組みたいと意気込みます。
竹田氏
「祖父を応援してくれた年配の男性もいる。年齢層や性別を問わず幅広くやっていけるのではないかと思っている」

すでに現職・新人あわせて6人が入り乱れ、選挙戦が確実視される小松市選挙区。4つの椅子に滑り込むのは、どの候補予定者なのでしょうか。